執筆者: バー・ボルドー (富川力道) 
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モンゴル人の一番長い名前は、Лувсандэнзэнпилжинжигмэдだそうだ。

本来はチベット語だが、ちょっと分解すると、こうなる。
Luvsan denzen piljin jigmed.ロブサン/デンゼン/ピルジン/ジグメド。
つまりよくある名前が四つつながっているということ。長いはずだね。

因みに、一番短い名前は、AzやOdなどで、幸運、星という意味。

もっとも多い名前のベスト5は次の通り。数字は当該名前を使っている人の数。
 
1 батэрдэнэ 13473 
バトエルデニ。永遠の宝の意。
 
2 отгонбаяр 11083 
オトゴンバヤル。最後の喜びの意味。オトゴンは、末っ子とか、最後という意味で、末っ子につける名前である。
 
3 алтанцэцэг 10967 
アルタンツェツグ。黄金の花の意。女性に付ける名前である。
 
4 оюунчимэг 10580
オヨンチメグ。知恵の花の意。女性に付ける名前である。
 
5 батбаяр 10570 
バトバヤル。永遠の喜びの意。大相撲で活躍した、旭鷲山の本名がこれだ。

もっとも珍しい名前
1 Одонтуяарахгэрэл 
三つの言葉からなる名前だ。星が輝く光の意。詩的な名前である。
 
2 Адилсанаа
同じ気持ちという意味。だれとも考えや気持ちを共有することができる、理想的な名前である。


その他、わたしが知っている人にも面白い名前がたくさんある。

たとえば、Nergui。名前はないの意。もっとも多い名前ランキングでも12位に入っている。
Henmedeh。だれが知るかの意味。「お名前は?」「名前はない。」とか「だれが知るか」という会話になるわけだ。
 
知り合いの男三兄弟にこんな名前がある。
Enebish,Terbish,Yuuchbish。これではない、それではない、なんでもないという意味である。
何でもないさんは、後に名前を変えたが。それから、Hu'nbisi(人ではない)というのもある。高校時代の体育の先生は、Muunohoi(悪い犬)だった。モンゴルでは、人間は生まれるとかならず閻魔大王のところに登録されてしまうから、その時が来たら呼ばれていく(死ぬ)という信仰があり、子供の長生きを願って、人ではないような名前をつけることがよくあるのだ。
 
さすがに最近ではそんな名前を付ける人が少なくなっているようだ

モンゴルを知るための60章 エリア・スタディーズ
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