こんにちは。「モンゴル情報クローズアップ」寄稿者のひでです。大変ご無沙汰しておりました。
混沌とするロシア・ウクライナ戦争。先日も早速、モスクワ郊外で発生した残忍なテロの報道が。
ロシア・モスクワ郊外で銃乱射 死者93人 FSB長官“実行犯4人を含む11人拘束”をプーチン大統領に報告|TBS NEWS DIG
ロシア・モスクワ郊外で銃乱射 死者93人 FSB長官“実行犯4人を含む11人拘束”をプーチン大統領に報告|TBS NEWS DIG
ロシアがウクライへの侵略を開始して以来、私はロシア国内のモンゴル人(特にブリヤート人)が置かれた現状を何回か伝えさせて頂きました。
ウクライナで捕虜になったブリヤート人ロシア兵
モンゴル系ロシア兵についての近況報告
ロシア軍に動員されるブリヤート兵の実態について
その後、日本テレビ系列の中京テレビ(名古屋)が詳細なドキュメントを作成して話題になりました。
「中京テレビドキュメント」
【ウクライナ侵攻】最前線で戦うロシアの少数民族“ブリヤート”の真実
「中京テレビドキュメント」
【ウクライナ侵攻】「この“おぞましい戦争”に関わりたくない…」男性が語った祖国・ロシアへの思い
そして昨年夏、ロシア国内の「少数民族」や反体制派が東京に集結するという、新しい動きが出てきたので掲載します。
「ビジネスジャーナル」2024.02.02 21:07
ウクライナ戦争、ロシア崩壊のカウントダウンか…少数民族が独立運動を活発化
文=林克明/ジャーナリスト
この記事内にもあるように「ブリヤート共和国出身者はモスクワ出身者の33倍の戦死率」というすさまじい地域格差のなかで、ブリヤート兵は凄惨な戦場に斃れ、また時には残虐行為に加担せざるを得ない状況(そうすることによってウクライナでのロシア兵の戦争犯罪を少数民族に押し付け、ロシア人を道徳的に『守っている』とすら言える)にまで追いやられているのです。
しかし「少数民族」側も黙っているわけにはいかないようです。
「ロシア後の自由な民族フォーラム」という、2022年5月にウクライナの企業家・オレフ・マハレツィキー氏が創設し、ロシアの著名な反プーチン派である下院議員、イリヤ・ポノマリョフ氏などがメンバーとして参加する、所謂「民主派組織」が東京で会議を開催しました。ブリヤート代表としては、マリーナ・ハンハラーエヴァ氏「ブリヤート独立運動」代表が参加しました。
フォーラムの会見映像はこちら。
個人的には、この組織がブリヤートやモンゴル、そして世界平和にどれだけ貢献できるかはわかりません。早速ロシア政府も「ロシアにとって望ましくない団体(Russian undesirable organizations law)」という反応を示して牽制しています。
が、このような活動(反プーチン政権、反ロシア帝国主義を標ぼうした活動)がある。という事を広く世界に認知させた事それ自体に、この団体の果たした大きな意義があったのではないか。と思っています。
では今回、日本で開催されたことの意義はなにか?
言うまでもなく北方領土問題を抱えた隣国へのけん制に他なりません。日露戦争の前後、陸軍の明石元二郎はロシア帝国を崩壊させるために積極的に反ツアー派に資金提供して支援しました。
そのなかにはレーニン率いるボリシェヴィキすらあったと言われています。先例があるのです。
明石元二郎(1864〜1919)

「タタール人の君(レーニン。レーニンはカムクイク人の血を引いている)がタタールを支配しているロシア人の大首長であるロマノフを倒すのに日本の力を借りたからといって何が裏切りなのだ『落花流水』」
戦争は誰でも嫌でしょう。
しかし今回ほど侵略者と抵抗者がハッキリしている戦争も他にありません。
そして侵略者の側にも支配層と非支配層がいます。
かつて文永・弘安の御代の元寇ではモンゴル軍の将軍に高麗や南宋の兵士がいましたが、今回はロシア軍の将軍にブリヤート兵という構造なのです。そのように俯瞰すれば、およそロシア国内のモンゴル人(ブリヤート人)が置かれた立場が理解できるというものです。
寄稿者:ひで
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