
今週11日に開幕したウランバートルのナーダム。モンゴル相撲、弓矢、競馬の3種目が行われ、大勢の観客が市内の中央スタジアムに集まった。開会式では国家的イベントを盛り上げるために多くのアーティストたちが出演した。私は開会式のチケットを取ることができなかったので家で中継映像を見ていた。昨年10月から通っていた馬頭琴教室の先生や生徒さんたちも長歌を演奏するために出演していた。ナーダムの詳細な説明は割愛させてもらい、今回は私が体験したナーダムを紹介しようと思う。
雨の日の開会式
11日はスタジアムや隣の弓矢会場を見に行った。開会式は雨の中行われた。午後家を出て会場に向かった。スタジアムではモンゴル相撲が開催され、全国から集まった力士たちがモンゴル1を目指して競い合っていた。決勝は翌12日の夜。モンゴル相撲は日本の相撲とはルールが異なり、また土俵が広いため1組の試合が1時間近くに及ぶ時も多い。かなり長いように感じるが、見ているとあっという間に時間が経過する。1時間に1回行われる儀仗兵の交代を見るのも面白い。
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モンゴル相撲 後ろには神聖な9本の旗が見える |
弓矢の会場ではちょうど女性の部が開催されていた。女性は男性より少し短い距離から弓を射る。みんなの表情は真剣そのもの。最近よく見かけるようになった外国人観光客も試合を見守っていた。弓矢が綺麗な弧を描いて飛ぶ様子は美しい。
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弓矢 |
ナーダム会場付近は多くの人でごった返していた。ホーショールやショルログを売る人や場外のモニターで競馬の試合を見る人、家族や友達と写真を撮る人などなど。11日は雨天だったこともあり、なかなかカオスな光景だった。
疲れて飽きた私は広場へ行ってみることにした。広場では多くの人々がチンギスハーン像前で写真を撮ったりキッチンカーでご飯を食べたりしていた。綺麗な服を着て歌や踊りを披露していたおばあちゃんの演技が可愛くてしばらくそこで写真を撮った。
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おばあちゃん |
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デールで着飾る人々 |
広場隣のビルには大きなモンゴル国旗が |
2日目もナーダム観戦
翌12日は朝からスタジアムに向かい相撲の予選を見た。途中飽きてきて弓矢やシャガイの競技を見学に行った。シャガイは羊のくるぶしの骨を使った遊び。モンゴルでは子供たちの遊びに使われたり占いに使われたりする。競技者が真剣だから見ているこっちも見入ってしまう。何事もそうだが本気で何かに取り組んでいる人はかっこいい。
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2日目は男性の部を見た |
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シャガイの競技会場 |
余談だが、昼間ザイサントルゴイにも足を運んだ。普段は人気の少ない頂上のモニュメントも人で溢れかえっていた。
ザイサントルゴイ |
モンゴル相撲決勝と閉会式
夕方になりモンゴル相撲も優勝候補者が絞られてきた。スタジアムに戻り再度観戦。決勝に近づくにつれ観客も増えてくる。
そしてついに最終決戦。8回も試合を勝ち抜いてきた優勝候補者が白い旗の前に並ぶ。観客の視線は2人の力士に釘付け。決着がつくと会場には大きな歓声が上がった。私はモンゴル相撲にあまり興味がない人間だったが、予選から選手たちを見てきたこともあり決着の瞬間は思わず声が出た。
表彰式の後は閉会式が行われた。閉会式もモンゴルで有名なアーティストが歌を歌い、最後の方には観客たちがスマホのライトを振りライブ会場のようになった。個人的閉会式1番の演出は東京オリンピック開会式などでも披露されたドローンを使ったアート。スタジアム近くの夜空にたくさんのドローンが飛び、モンゴルの地図や馬頭琴演奏者、動物といったデザインをつくり観客を魅了した。私はこれを動画に収めることに夢中になり、すっかり写真を撮ることを忘れてしまった。
1年が経過したことを実感
ナーダムを観戦して一番感じたのは、モンゴルの1年間を体験しきったという感覚。昨年9月から今年7月までの11ヶ月を通して、モンゴルの様々な文化を自分の目で見て感じることができた。あと1週間ほどで日本に帰るという時期に来て多少の寂しさもあるが、それよりもこれらを体験できた満足感が大きい。
筆:тэмээ
筆:тэмээ
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