【写真】9月のお披露目に向けて建設中の中学校
ウランバートルの新モンゴル小中高一貫学校(ラハグワドルジ校長、生徒約1600人)が中学校の新しい校舎を建設している。これまでの教職員や生徒の寄宿舎「セミナーハウス」を解体し、手狭だった教室や体育館の一部を全く新しくする。
新しい中学校は、敷地面積が約500平方メートルで地下1階、地上6階の建物。地下は美術や舞踊の教室に倉庫など。地上1階から5階までは教室20カ所と物理、化学、家庭科室や食堂など。地上6階は体育館。これまでの小中高の校舎2階から渡り廊下を設け、往来をしやすくする。階段2カ所とエレベーターを設ける。
新モンゴル小中高の建物の隣には、新モンゴル工科大学と新モンゴル高専が入居する建物がある。しかし、ここには中学校の教室もあり、一部は2部制だった。
体育館は小中高1カ所だが、大学や高専の学生も利用するので、さまざまな制約があった。食堂も小中高と大学・高専の建物の2カ所だけなので、食事は時間制で困難を極めていた。
私は、2011年、これまでのセミナーハウスで、夏休みで空いた教員の部屋を利用させてもらった。教員は、奥の部屋に荷物をまとめ、私はリビングに貸し布団を敷いて寝泊まりした。夏休みの日本語特訓口座「サマースクール」のときは、この部屋で打ち上げのパーティーも開かれ、皆で飲み食い懇談した。2012年のときなど、ほかにも利用させてもらった。
思い出がいっぱいあるセミナーハウスだが、問題点も見てきた。5階の生徒�錣法∪�濯機の排水口がなかった。重い洗濯機を、シャワー室へ動かし、ホースを延ばして洗濯する不便があった。建物の地下駐車場は、雨が降ると水浸しになった。部屋にカビが多く、冬は寒いなどの不満の声が出ていた。
新しいセミナーハウスは、学校近くのホテルだった所を改装して利用しているそうだ。寄宿舎よりも教室を優先するのが今回の措置だ。
セミナーハウスは、ガルバドラッハ理事長の妻アルタンツェツェゲさんが亡くなった場所でもある。私にとっても痛恨の事件だった。当時、アルタンツェツェゲさんは、セミナーハウスの責任者をしており、彼女自身、大きな期待を寄せた施設だった。
この施設は、まったく生まれ変わる。アルタカツェツェゲさんは、今回の新しい校舎と教室を喜んでくれると思う。
▽森修 もり・しゅう
1950年、仙台市生まれ。元河北新報記者。1998年、山形市で勤務していたとき、たまたま入ったバーでアルバイトしていたモンゴル人の留学生と出会う。以来、モンゴルの魅力に取りつかれ、2005年「モンゴルの日本式高校」、2012年「あんだいつまでも新モンゴル高校と日本」をそれぞれ自費出版。
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