子ども園の二人
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 モンゴルの人口は若年層が多い。国家統計局の2021年の調査では、総人口340万9000人のうち、0歳―35歳が62パーセント、0歳―25歳が45パーセントを占める。過去4年間、毎年7万人台の出生者があり、人口は20年間で約1・4倍に増えた。

 このため、学校や教室の数はもちろん、就学前の幼稚園、保育園の数が足りない。教員の数も足りない状況が続いている。

 新モンゴル学園が経営する「新モンゴル子ども園」は2016年、新モンゴル小中高の近くに開園した。2歳から5歳までの170人をあずかっている。需要が多いことから、間もなく第2園を市内のジャパンタウン(フォー・シーズンズ・タウン)に開設した。120人をあずかっている。それでも足りず、目下、第3園を計画中だ。

 新モンゴル春馬富士学園の幼稚園も今年9月に開園した。3歳から5歳までの110人が通っている。

 日本では、幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省が管轄している。幼稚園は就学前の教育、保育園は働く親の支援という目的に違いがある。モンゴルでは、こうした違いはなく、すべて教育省が管轄しているそうだ。なので、子ども園、幼稚園は呼び方の違いにすぎない。

 新モンゴル子ども園は、子どもをあずかるのは、午前8時から午後6時半まで。3食付きという。社会主義時代は、0歳から24時間保育もあったそうだ。今は2歳からだ。

 新モンゴル子ども園は、現在専務理事を務めるヒシゲーさんと新モンゴル小中高の前校長で現在は新モンゴル・マブチ基金の専務理事を務めるズラゲレルさんが創設にかかわった。二人は新モンゴル高校の一期生。ガルバトラッハ理事長に「子ども園をつくってはどうか」と提案したところ「おう、二人でやってみるか」と言われ、計画はスタートした。

 二人は開園前、日本の幼稚園や保育園を視察した。特に千葉県船橋市の夏見台幼稚園・保育園は参考になったという。ズラゲルさんは船橋に住んだことがあり、評判は聞いていた。そこで鳥居徹也園長に手紙を書き、メールアドレスを知らせたら、すぐ返事がきた。「ぜひ、おいでください」。教育運営の方針など詳細に聞くことができた。

 私が、新モンゴル子ども園の第2園を訪れたとき、園内に「げんこつやまのたぬきさん…」の歌声が響いていた。モンゴルでは、日本のアニメや童謡、遊戯が人気だ。

 ズラゲレルさんとヒシゲーさんは、新モンゴル高校の生徒だったころ、ウランバートルの東、第53番学校の隣にある孤児院の子どもたちに勉強を教えるボランテイア活動をしていた。私は2003年6月、その様子を見せてもらった。子どもたちは、元気いっぱい、日本語の「ドラえもん」の歌を披露してくれた。

 ズラゲレルさんは、東京国際大学と大学院で6年間学んだ。ヒシゲーさんは東北福祉大学と大学院で6年間学んだ。在学中、仙台市の国際交流員も務めた。妹のチメゲーさんは、「うまい鮨勘」一番町店でアルバイトしながら宮城教育大を卒業、ウランバートルの出版社で子供向け図書の編集にあたっている。

 日本に留学したモンゴル人が、若者の国モンゴルで、子どもたちのために働いている。教員不足が深刻だという。でも、少子高齢化が進む日本に比べたら、明るいように私には思える。

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▽森修 もり・しゅう

1950年、仙台市生まれ。元河北新報記者。1998年、山形市で勤務していたとき、たまたま入ったバーでアルバイトしていたモンゴル人の留学生と出会う。以来、モンゴルの魅力に取りつかれ、2005年「モンゴルの日本式高校」、2012年「あんだいつまでも新モンゴル高校と日本」をそれぞれ自費出版。

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