社會部部長というYouTubeチャンネルにて、『チンギスハンが地球の気温を下げた話』という動画がアップされていました。



3:05ごろに、「過去人類は、自らの手で地球温暖化を食い止めたことがあるからです。それを実行したのがあのチンギスハーンです。」とあります。

800年前にその地球の気温を下げた仕組みは極めて単純で、「あまりにも多くの人を殺したからです」というショッキングなことを言っています。

「モンゴル軍による大量の人の殺戮→畑が放置される→森林再生→二酸化炭素を吸収」というサイクルで、そうなったそうです。

いやいや、それ本当かよ!?と突っ込みたくなりますが、以下の科学的論文によると、1200年以降のチンギスハーンの時代以降で二酸化炭素量が減少していることが立証されています。

Coupled climate-carbon simulations indicate minor global effects of wars and epidemics on atmospheric CO2 between AD 800 and 1850

https://www.researchgate.net/publication/235226370_Coupled_climate-carbon_simulations_indicate_minor_global_effects_of_wars_and_epidemics_on_atmospheric_CO2_between_AD_800_and_1850

(動画の解説文に参考文献の一覧が記載されています)


動画の締め括りとして、「なにやら、温暖化解決の究極の解決策を見てしまった気がしますが、我々はチンギスハーンと同じ方法をとる必要はないでしょう。なぜなら、チンギスハーンと違い、我々はなぜ温暖化が起こり、どうすれば止められるのかをすでに知っているからです。我々はどこのだれかに関係なく、一致団結して、チンギスハーンに続く、史上二回目の温暖化を成功させなければなりません」と言っています。

たしかに、「人を減らすことで、野を長年放置して森林を増やして二酸化炭素量を減らす」というのは、現在において人権的にも、経済発展・開発の面でも不可であると言えるでしょう。

ところで、この社會部部長というYouTubeチャンネルでは過去に、かのモンゴルのフィールドワークで有名な梅棹忠夫先生が発表した『文明の生態史観』についても解説動画を上げています。『文明の生態史観』の解説について、これよりもわかりやすい動画はないかと思われます。




過去に、このモンゴルクローズアップでも『文明の生態史観』について記事を書いたことがあります。

梅棹忠夫『文明の生態史観』から論考する草原の地の奪い合いについて



この社會部部長というYouTubeチャンネル、かなり編集のクオリティが高く、かつ内容が濃いので興味深く視聴できます。

動画一覧:
https://www.youtube.com/channel/UCgKOKQq3XENgVsy4YcDtDdQ/videos

他に興味深い、アジア、アメリカの地政学的な解説の動画が多々あります。地政学的な視点で世界情勢を見ることで、中国・ロシアに隣接するモンゴルがこれからどういう立場であるべきかを考える参考になる動画かと思われます。

中国がチベットを絶対に手放せない理由【地政学・三峡ダム】



アメリカが「世界覇権国」になるまで【地政学・ウクライナ】


中国の「夢」とは?【百年国恥と世界覇権への野望・地政学】


なぜ日本人は親中にならないのか?【日本における中国の影響力】


今回はここまで。


文明の生態史観 (中公文庫)
梅棹 忠夫
中央公論新社
1998-01-18



文明の生態史観ほか (中公クラシックス)
梅棹 忠夫
中央公論新社
2002-11-10







回想のモンゴル (中公文庫)
梅棹 忠夫
中央公論新社
2011-08-23


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