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【写真】解体中のゲンデン元首相の旧宅=2019年10月6日午後4時ごろ撮影


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【写真◆粛清された僧侶の頭蓋骨などを並べたゲンデン資料館の内部=2011年5月撮影

 

モンゴルは発展中だ。首都ウランバートルは、訪れる度に街の様子が変わっている。今回の訪モで、私は、ゲンデン元首相の旧宅を利用した資料館が取り壊されているのを見て、少しばかりショックを受けた旅行案内書には「政治粛清祈念博物館」と紹介されている建物だ。

スフバートル広場の南、日本大使館の西側に位置する一等地。ウランバートル最近、地価が高騰していると聞く。地上げでもされたのだろうか以前から気になっていた古い木造の建物だ。解体はやむを得ないかもしれない。しかし、中の展示物はどうなるのほかの場所に移して保存を継続するのだろうか。心配だどなたか、ご存知の方がいたら、教えていただけませんか。

ゲンデンは、1932年に首相となり、1937年にモスクワで処刑されとウィキペデアにある。モンゴルは当時、人民共和国の時代で、言わばソ連の属国だったゲンデンはソ連の言いなりにはならず、そのために処刑されたと言われる。スターリンと口論したとき、スターリンにビンタをくらわしたという逸話も残っているほどだから、あり得る話だ

私は、20115月、資料館を見学したことがある。共産主義による粛清でチベット仏教の寺院は取り壊され、多くの僧侶が殺された。資料館には、そのときの写真や殺された僧侶の頭蓋骨が多数展示されていて、異様な雰囲気だった

共産主義時代の負の遺産を示す貴重な資料である。建物は解体されても、中の資料は大切に保存して、粛清の歴史を後世に伝えてほしい。


▽森修 もり・しゅう
1950年、仙台市生まれ。元河北新報記者。1998年、山形市で勤務していたとき、たまたま入ったバーでアルバイトしていたモンゴル人の留学生と出会う。以来、モンゴルの魅力に取りつかれ、2005年「モンゴルの日本式高校」、2012年「あんだいつまでも新モンゴル高校と日本」をそれぞれ自費出版。



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