こんにちは!ウランバートル留学中、腰抜け大学生の多摩川です。昨日まで私はモンゴル国ザブハン県都のオリヤスタイという町に旅行しておりまして、今朝ウランバートルに帰ってきました。今回は長距離バスでモンゴルを国内旅行することについて、2017年10月初旬時点での状況を書きたいと思います。結構長いです。‬

私はまずはじめにバスチケットを買いに行きました。モンゴル西部方面に向かう長距離バスターミナルの正式名称はСонгинохайрхан(直訳: 玉ねぎ大好き)ですが、通称Драгон(ドラゴン)と言います。‬モンゴル国立大学前のバス停から西方面に向かうЧ-40のバスに乗って、もしくはエンフタイワン通り(スフバートル広場南側の大通り)沿いのバス停から西方面に向かうЧ-1のバスに乗って、Та чиっていうバス停で降り、少し西に歩くと大きなガラス張りのビルが見えるので、その一階に入ると左手にチケット売り場兼待合室があります。いちいちバス停の名前が謎ですが気にしないでください。 

カウンター‪のお姉さんに行き先と日程を言うと、「◯◯番の席で大丈夫?」的なことを聞かれるので、それに答えると、すごく薄っぺらい水色のチケットを購入することができます。ちなみに席番は横並びに通し番号で、バスは一列四席なので、4の倍数の席番なら必ず窓際です。バス内にトイレはないので、窓側で問題ないと思います。出発時間はチケットに書いてありますが、到着時間は書いてないので、購入時に聞いておくと良いと思います。ちなみに私は「翌日の7時よ」と言われて絶望しました。チケットは往復で購入することもできます。チケット購入時にはパスポートか居住者カードが必要です。‬ 

         

メモ‬

ウランバートルーオリヤスタイ往復 48800₮‬

ウランバートル11:00発‬

オリヤスタイ7:00着予定‬


さて、チケット購入後は持ち物の準備です。必須の持ち物は、先輩からの口伝によると‬

・トイレットペーパー‬

・ミネラルウォーター‬

・ウエットティッシュ‬

・携帯のポータブル充電器‬

の4つ。荷物をトランクに預けたり、頭上の荷台に置くとトラブルを招く可能性があり、自分の膝の上で管理しなければならないため、最低限を目指しました。私が行ったオリヤスタイはザブハン県の県都なので、зах(市場)やスーパーマーケットがあり足りなければそこで買おうと思い、服やアメニティはあまり持っていきませんでした。

ホテルの予約もしなければなりませんね!(私は旅行出発前日に思い出しました)ホテルのフェイスブックを見つけてメッセージを送るのが一番返信が早いと思います。ただ私の場合は途中で返信が途絶えたので、ウランバートルにあるトラベルセンターに相談しました。職員さんがとっても優しく、私の下手なモンゴル語を辛抱強く聞いて、時には間違いを言い直してくださったおかげで、無事電話予約してもらうことができました。たぶん英語も対応しています。‬ 

いよいよ出発日。私は出発予定時間の30分前にバスに乗り込みました。ぎりぎりですね!チケット売り場があるビルの東側に、背の低い建物があるのですが、その前に長距離バスがたくさん止まっており、その前面の窓に行き先の県名、もしくは県名の略称+都市名が貼ってあるので、それを目印にバスを探してください。‬バス入り口のところに、ブーツを履いて、ちょっと制服っぽいジャンパーを着たおじさんたちがいて、その人たちが運転手なので、チケットを回収してもらいます。(回収されたチケットはバス発車時の人数確認のとき返ってきました。)バス発車直前には、新聞雑誌販売員のおばちゃんや、ホーショール売りのおじちゃんがバスに乗り込んでくるので、購入しているお客さんもいました。ただ個人的には、締め切った車内でホーショールは飯テロだと思います。‬ 

出発予定時刻の11:00を15分過ぎて発車したバスは、ハラホリン、ツェツェルレグ沿いを通る幹線道路を、一路西へ向かいます。幹線道路は大体綺麗に舗装されていますが、バスはめっちゃ揺れます。尾てい骨と後頭部が擦れてちょっと痛かったけど、3時間に一回くらいトイレ休憩を取るので、そのとき体を動かせば大丈夫でした。トイレは野外仮設のボットン便所か、青空です。紙や水道は設置されていません。夜のトイレ休憩は超寒いですが、満点の星空を見ることができます。私は流れ星を二つ見ました。‬ ‪公共のバスなのでモンゴルにしてはそんなに速度を出しません。移動時間短縮を狙うなら、個人営業のマイクロバスや普通車のほうが良いと思います。ただバスは一応定刻があるのに対し、マイクロバスや普通車は定刻がないので、そこが厄介ですね。‬ ‪移動中の食事ですが、私のバスでは15時と21時に、24時間営業ドライブイン的なところで食事をとりました。どの料理も5000₮くらいで、普通のГуанз(食堂)といった雰囲気です。‬ ‪

バス車内の治安は私が見た限りとても良く、女性のひとり旅でも問題ないと思います。モンゴル西方面では、長距離バスが唯一の陸路公共交通機関なので、滅多なことはないはずです。‬ ‪目的地のオリヤスタイに到着したのは予定到着時間より1時間早い午前6時…暗くて寒かったので、とりあえず予約したホテルに向かいました。‬ ‪

私が泊まったのは社会主義時代からあるというУлиастай Hotel(オリヤスタイ ホテル)です。一泊一人40000₮で朝ごはん(1日目朝: スクランブルエッグのせパンとホットミルク、2日目朝: 薄切りキュウリとバターとパンと紅茶)付き。

部屋は清潔で安全で、なんといっても日本型コンセントが使えるという点が魅力です!Wifiもロビーに有りますが、私が行ったときは通信速度が遅くて諦めました。ホテルに泊まるとき、パスポートや居住者カードの提示は求められませんでした。‬

7時半頃には外も明るくなったので、観光に出発しました。市街に接した丘の上にある寺院、市街の東端にあるナーダム用のスタジアム、町最大のザハ、ザブハン県立博物館、劇場、清代のオリヤスタイ市街遺跡であるСангийн Хэрэм(サンギン ヘレム)、近くの山の上にある突厥時代の石人、匈奴時代の岩絵を見て回りました。‬


(観光マップは時間があるとき作ります!お待ちください)


留学仲間へのお土産は、町最大のザハの一階に売っていたザブハン県産ジャムとАрхи(モンゴルのウォッカ)にしました。二つで9000₮だったので、まあ普通の値段だと思います。‬ ‪

昼食はザハ内の食堂でとりましたが、お値段は5000₮程度と、ウランバートルと変わらない感じです。地方は物価安い説を勝手に立てていましたが、別にそんなことは無いようです。‬ ‪

 ‪オリヤスタイはモンゴル西部なので、訛りがきつくて会話を聞き取れないのではと危惧していましたが、訛りはほぼ無く、ウランバートルで聞くのと大体同じモンゴル語だったように思います。‬ ‪ホテルのラウンジにいるときも、ザハの食堂でも、留学生と見るや、優しくゆっくり話しかけてくれる方ばかりでびっくりしました。地方都市のホテルラウンジで座ってるだけでモンゴル語会話上達するのでは…?‬ ‪

オリヤスタイは、日本の地方都市規模で考えれば、イオン(ジャスコ)もないような小さな町ですが、山に囲まれた盆地の中に、都市機能がコンパクトにまとまっていて、なかなか暮らしやすい町だと思います。市街外れの丘から町を見下ろすと、RPGゲームの町のような感じがしました。清代には現在の市街は無く、町の中心を流れる川の中州に、四角い城壁で囲まれた軍事都市だけが存在していたとのことなので、さらにRPG感があったと思います。‬また、社会主義時代の面影をまだよく残していました。

‪帰りのバスはなんと来た時と違うところから(町最大のザハ前から)昼11:10に出発しました。ホテルの人とかにバス発車場所を聞いておくべきと思います。帰りは行きと大体同じでしたが、雪が降っていたり、幹線道路の舗装道路が通行止めされていて迂回したりしたため遅くなりました。深夜1:00くらいに立ち寄ったドライブインで、お客さんたちが食堂奥の部屋に入っていき、でかいベッドで雑魚寝しだしたのにはびびりましたが、おそらく仮眠所なのでしょう。仮眠所が人でいっぱいになると、残りの人は食堂のイスと机で寝ることになるわけですが、ちょっと面白い出来事がありました。アイラグを飲んだおっちゃんがイスを繋げて寝床を作ったんですけど、おっちゃんがタバコ吸いに外に出た隙に、別のおじさんがその寝床を使いだし、外から戻ってきたおっちゃんに「私のが年上だから」と言って寝てしまいました。10分後おっちゃんは、長椅子に座っていた私と、別の長椅子に座っていたおじいちゃんに「フーイ」と声をかけ、二つの長椅子をくっつけて寝床を作りたいと言いました。そうすると私とおじいちゃんの席がなくなるのですが、まあいいかと思って協力し、長椅子二つからなる寝床ができました。するとすかさず、おっちゃんではなく、元々長椅子に座っていたおじいちゃんが、その寝床に寝そべって「私のが年上だから」とおっちゃんに言ったのです。私は食堂の隅にあった小さなイスを確保してすわれましたが、おっちゃんは席がなくなってしまいました。店員のお姉さん含め食堂のみんなが苦笑する中、おっちゃんは寒い外に出ていきました。‬

さて仮眠をとり続けて翌日、まだバスは発車しません。昨日から降っている雪と、交代ドライバーさんが到着しないせいで、なんと食堂で12時間待ちました。ちなみにモンゴルの長距離バスは2人ドライバーを乗せていないと走っちゃいけないらしく、なかなかちゃんとしているなと思いました。‬

バス再出発後すぐ急な下り坂があったので、ご老人と赤ちゃんとその親以外のお客さんはみんな、バスから出て雪道を歩いて下りました。お客さんたちがみんな「自分たち何してるんだろうね笑」みたいな雰囲気で面白かったです。めっちゃ動画とってる人がいたんですけど、フェイスブックにでも載せる気なのかな?肖像権とかいう概念はないんですよね〜〜‬ 

ウランバートルのバスターミナルに着いたのは22時頃。定刻が7時到着とすれば、15時間遅れですね! 22時だったのでバスターミナルから寮まではギリギリ市内バスで帰ることができました。‬

これで私の一泊4日(車中泊二泊)の旅は終わりです。モンゴル国内を長距離バスで旅することは、基本的には安全だと思います。英語は通じないので、観光会話レベルのモンゴル語を話す必要がありますが、指差し会話帳とか使えば大丈夫なのではないでしょうか。ぜひ次回のご旅行では(時間に余裕を持って)長距離バスに挑戦してみてください!‬ 


(今回私はザブハン県都オリヤスタイ市街のみの観光でした。バスは基本的に県都までしか行かないので、もし県都を離れて田舎を旅行したいときは、車をチャーターする必要があります。車をチャーターするには、ホテルで手配してもらう、県都でタクシーを拾う、知り合いの人に頼むといった方法があります。お金を払って車をチャーターする場合、結構お高いらしいので、複数人で旅行することをお勧めします。)‬

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