夏っぽく、草原と天空のイメージのあるモンゴル関連の作品を紹介させて頂きます。
「天空の草原のナンサ」です。
この本は、映画同様”黄色い犬のどうくつ”という物語を下敷きにしています。
物語中心かと思いきや、本では本編の合間のモンゴルの文化についての説明が豊富でした。
ためになるモンゴル文化が多く記載されているので、そちらを中心に紹介させて頂きます。
多くなってしまいましたが、引用します・・・
ゲルの玄関は今も昔も変わらずに南を向いている。
だから、モンゴルの日常用語では、「左」と「東」、「右」と「西」は同じ言葉なのだ。
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遊牧民は現在、民主主義の下で居住の自由を手に入れた。そのかわり、政府はもはや遊牧民に対して特別な支援をしていない。
遊牧民は、牧草地の使用料を支払わなければならなくなった。
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民主化以後、国有企業が次々と民営化されていった。
国のいたるところで貧富の差が広がっていった。
教員や公務員、医者なども、何も持たない状態で市場経済に直面したのである。
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モンゴルの学校制度はほとんど、ロシアの学校制度をまねて作られた。
ただし、地方の遊牧民の子供には特別な規定が幾つかあった。
〜〜(略)
授業料は無料だったが、寮に入れるにはお金が必要だった。
多くの場合、寮費の一部は家畜や肉、その他の収穫物で代納することができた。
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捨て犬はオオカミよりもたちが悪い。犬は野生化すると、とても危険になる。
しかも近頃では多くの人が町に出るときに犬を連れていけず、捨てるので、どんどん増えている。
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乾燥が激しく水に乏しい大陸の気候では、塩にも特別な意味がある。
塩を摂ると、人間が体内に蓄えられる水分が増えるのだ。
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モンゴルのブーツの秘密はつま先に隠されている。まず、つま先が反り返っているので、歩き方が自然とおだやかになる。また平らな底で植物を踏みにじってしまう心配もない。このように身につけるものからも、人間が自然に対していかに敬意の念をもっているかが見て取れる。
〜〜(略)
靴には左右の区別がない。これは馬に乗るときに便利である。普通は、馬のわき腹にあたる部分がこすれて早く擦り切れてしまうが、左右を履き替えれば靴が長持ちするのだ。
自分は本で読みましたが、この作品の魅力は、何よりも雄大な草原(ステップ)とそこで生活する遊牧民の姿と言えます。
そのため、映画(DVD)でご覧になった方がおすすめ!?かもしれません。
夏に自然の溢れる癒される作品だと思いますので、是非、ご覧になってみてはいかがでしょうか!?
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