
「モンゴル情報クローズアップ!」読者のみなさま。
はじめまして、大道卓矢と申します。
東京・新宿でセラピストをしています。
今回、はじめて記事を寄稿させていただくことになりました。
これから、よろしくお願いいたします。
実は、タケシ編集長とはFacebook
ページを通じてたびたびお世話になっていますので、もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
そして今回はもともと、Facebookで主催するモンゴル新年会のお知らせをしようと考えていました。
しかし、かねてよりタケシさんからブログを書くことをススメられており、どうせなら記事から書かせていただくようお願いした次第です。
「必要に背中を押される」チャンスを与えてくださったタケシさんに感謝いたします。
わたし自身のモンゴルとの関わりは、モンゴルに乗馬を買い付けにひとり旅をしたことに始まります。
そして、ご縁があって現地の遊牧民の家で長期の遊牧生活を経験しました。
以降、血はつながってはいないものの「おまえはわたしたちの家の子供だよ」と言ってくださる遊牧民家族に恵まれ、モンゴルとの交流を続けています。
いずれそうした体験記も書くかもしれませんので、またご笑覧くださるとうれしいです。
......さて、あらためまして「新年おめでとうございます!」
今回は年明けの話題として、モンゴル人にとっての「お正月」についてお伝えしていきます。
読者のみなさまはご存知かと思いますが、モンゴルの「元日」はチベット歴に基づき、モンゴルの高位の仏教僧によって決められます。
チベット歴は太陰太陽暦(たいいんたいようれき)、日本の旧暦と同じ暦法であり、元日は現在の私たちが使う太陽暦の1〜2月の間を毎年変動します。
しかし、肝心なモンゴルのラマによる元日の決め方が非公開であり、なんと前年の秋にならないとその年のお正月のスケジュールが立たないのです。
だからモンゴル好きの間でも、お正月についての話題はたいてい
「…次のお正月は何日だっけ?」
というゆる〜い会話から始まり、その場でスマホを使って調べる事になります(笑)
そんなモンゴルらしいおおらかなお正月ですが、ひとつ変わらない事があります。
それは「元日」は人が決めるが「元旦」は自然が決めている、という事です。
そして、それはモンゴルの正月の呼び名そのものである、という事です。
モンゴルの正月をツァガーン・サル(Цагаан
Сар)と言います。
Цагаан=白い、Сар=月という意味です。
この場合、日本人は「サル」を暦の「ひと月」を意味すると解釈しがちです。
しかし、モンゴル人にとっての「Сар」は、「月」そのものをも意味しています。
そしてツァガーン・サルとは、まさに太陰太陽暦の正月、つまり新月明け夜空にはじめてあらわれる月をも意味するものである、という事です。
「元旦」とは日本人に分かりやすいように表現しましたが、モンゴル人にとっては「元月」 とでも言う瞬間こそ、大自然の定めた新しい年の始まりであるという事なのです。
ちなみに、冒頭の写真はわたしがツァガーン・サルでモンゴルを訪ねた時、お世話になっている遊牧民一族の長に挨拶している場面です。
この旅でモンゴル人から話を聞き、わたしはこの「ツァガーン・サル」の意味を知ることになりました。
なにしろ100人からの血族がいる家という事で、元日の「ご近所回り」が延々と続きました。
そして、家々でウォッカの乾杯を繰り返しながら何軒回ったか、ボロボロになってたどり着いた最後の家の5階であったか、6 階であったかの窓から、遠くの白い山並みのうえに現れ た「元月」を観たのです。
よく研いだ刀を抜き放ったような、スラリと輝く月に向かい、乳を3すくい、米を3つかみ、新しい年の豊穣を祈って夜空に蒔きました。
モンゴルの、昔からのしきたりです。
そして、ツァガーン・サルのもう一つの意味を知り
「これが本当の“ツァガーン・サル”なんだね」
と、家族たちとしみじみと語り合ったものです。
この旅でわたしはモンゴル人一家から”Дэмбэрэл(デンベレル)”というモンゴル名を付けていただき、以来モンゴルの方々と親しくするようになりました。
これが、わたしがモンゴル人から聞いた、モンゴル人にとってもうひとつの「お正月」のお話です。
初日の出ではなく、初月の出を祝うというのもロマンチックかもしれません。
日本の方々も、今年はもうひとつの「お正月」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
“ツァガーン・サル”は、わたしとモンゴルを深く結びつけた思い出であり、今回はじめての 「モンゴル情報クローズアップ!」で記事にすることができて、とてもありがたく思います。
あらためて、タケシ編集長に感謝いたします。
そして読者のみなさま、最後までお読みくださりありがとうございました。
そんな”ツァガーン・サル”。2016年は2月の9日がその日にあたります。
それに先立つ1月24日(日)の午後6時半から10時半、新宿のモンゴル料理店『新オッと 屋』にて、モンゴル-日本新年交流会を開催いたします。
日本の新年とのちょうど中間の日取りにあたるでしょうか。
まだ若干お席がありますので、よろしければ以下の
Facebook イベントをご覧ください。
羊一頭まるごと喰らうっ!〜モンゴル-日本新春交流会〜(第8回モンゴル-日本ビジネス交 流会)
https://www.facebook.com/events/937310283015300/
そして、もしご興味がありましたらお問い合わせください。
みなさまとお会いできることを楽しみにしています!
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