成田あるいは羽田の空港から北京に行き、そこでフフホト行きの国内線に乗換えます。
離陸してしばらくの間、窓の景色は雲だけです。
けれども30分くらいたちますと、眼下に峻険な山並みが延々と広がります。
この山並みが途切れると、今度は草原になります。

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内モンゴルの東、オラーンハドゥの草原にて
大地も空も美しすぎる。。。 

よしっ、モンゴルだ!!

いつもそう感じます。
およそ50分間くらいの短いフライトで、フフホトの白塔空港に到着です。
市の中心へは、車で30分ほどです。

前回の拙文で2012年から翌年にかけての冬場に、フフホトに行ったことをお伝えしました。
この時、ユーラシア大陸には大寒波が到来していました。
私の滞在中、フフホトより東にある西ウジュムチンで、羊や馬などの家畜が大雪に埋もれてしまい、牧人が必死の救出作業に追われている、というニュースがあったほど激しい寒波でした。

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内モンゴル最北東にあるフルンボイルでマイナス46.1度を記録したことを伝えるニュース

私はもともと日本でウルグン先生にモリンホール(馬頭琴)を習っていました。
ウルグン先生経由で、内モンゴル大学芸術学院でモリンホールを教えておられるサチロンゴイ先生にも、留学について相談にのっていただいていました。
留学担当の先生との面談では、サチロンゴイ先生が同行してくださいました。
そのおかげですんなりと事は運び、入学にあたっての詳細は難なく知ることができました。

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右から2番目がウルグン先生、一番右がサチロンゴイ先生
現代モリンホール界を牽引する最強コンビ♪

さて、そのようにつつがなく目的を達成した私は、ホテルの暖かい部屋でキリっと冷えたミネラルウォーターでも飲もう、そう思いました。
そこでペットボトルを2本ほど購入してホテルへ帰りました。
ミネラルウォーターは常温でした。
冷蔵庫へ入れようか、いや待て、外がこれだけ寒いのだから、外へ置いておけばすぐに冷えるんじゃないかしら?
 
我ながらナイスアイディア♪
私は窓を開けて、2本とも置きました。
おそらく20分くらいで、理想的なキリっとした冷たさになるでしょう♪♪
 
20分経ちました。
窓を開けました。
そこにあったものは、ガッチガチに固まった、棍棒のような物体が2つ。
 
まさに鈍器。

これで人様をエイッ!とばかりに打ったら、たちまちにして打たれた者は屍と化す、そのようなものに変貌をとげていました。
かつてはミネラルウォーターであり、今や凶器となった物体は、部屋に置いても、数時間にわたって溶けることなく凶器のままでした。
あぁ、モンゴルでは寒いからといって、外を冷蔵庫がわりにしちゃいけないのね。
その日の夜、フフホトはマイナス27度になりました。

この年の6月1日、私は日本を離れフフホトに引っ越しました。

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私はここの9階に住んでいた(新華東街)

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フフホトにはこんな大きいファッションビルもあれば。。。
(ヒャンガンウムンジェール) 

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こんな庶民的なところもあるのよ♪ (オラーンチャブバローンジェール)
赤いジャージの小学生、かわいい〜〜〜

前回の拙文の最後で、次は【後編】と書きました。
しかしながら、私、今回で終了するわけにはいかないことに、ふと気づいてしまいました。
 
ぜひとも皆さまにご紹介すべき、大事な、貴重な、まさに
内モンゴルのエルデン
(エルデンはモンゴル語で宝という意味)があったことを思い出してしまったのです。
しかもこのエルデンを知る人は、モンゴル人でも少ないのです。
これをお伝えせずして何を伝えるというのでしょう?!
 
そのようなわけで、今回は【中編】となりました。
読者諸氏におかれましては、節操のない執筆者である、もしくは、計画性がない、などとお考えになるにはおよびません。
ここはぜひとも柔軟性に富んでいる、とお受け止めいただければ幸いです。
次回はその超重要情報をお伝えします。
今度こそ【後編】です!!!
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