モンゴル国のモンゴル料理は、さまざまな調味料を用います。
代表的なのはローワンギーン・サラートのニンジンサラダに用いられるマヨネーズだったり、ツイヴァンにかけるケチャップだったりします。

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ローワンギーン・サラート

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ツイヴァン
※ちなみに内モンゴルではツイヴァンにケチャップはかけません。

さてそうした調味料の中で、現地のモンゴル人の皆様も、名前をうまく言えないけど欠かせない調味料があります。

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さて、これは何でしょう?

現地のモンゴル人の皆様からは「アムトラクチ(調味料)」と言われたり、「ツォー(醤油)」と呼ばれたり様々です。
実際に味見をしてみると、確かに醤油に近く、すこしクセのある香りがしますが、揚げたてのホーショールなどにまぶすようにつけると、羊肉の味わいがふくらむ優れものの調味料です。

この調味料の正体は、チェコの醤油です。
チェコ語では「ソヨバオマーチカ」(大豆調味料)と呼ばれます。
(上の写真は、商品名がクラッシックとなっています。)

気になる原材料は、大豆と小麦グルテン由来の液体タンパク質加水分解物と塩分。
つまり、製法に細かな違いこそあるものの、醤油とほぼ全く同義です。

モンゴルは旧ソ連時代のモンゴル人民共和国時代、ソ連および東欧諸国と共通の経済圏にありました。そのため、東欧由来の食文化の影響を受けています。
しかし、中国や日本発祥の醤油が東欧に渡り、それがモンゴルで消費され、モンゴル料理に欠かせない存在になっていることは、食文化を考える上でも興味が尽きません。

ちなみに、日本の醤油はモンゴルでは「キッコーマン」と呼ばれます。また、中国製の醤油は砂糖のように甘いのが特徴なので、現地で食材を購入し調理するときは気をつけましょう。

また、チェコの醤油をモンゴル国のお土産に持参する場合、蓋の密閉具合が甘い場合があるので、紙や布に包んでからビニル袋に梱包することをお勧めします。

Khuushuur
モンゴルの夏といえば、ナーダムで食べるホーショールですし、ホーショールにチェコの醤油は相性最高です。
是非お試しくださいね。

2014年7月12日
みずばしょう
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