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【写真 受験生らは停電のためソクの明かりの下で夕食。不安でも元気=2011年3月11日、筆者撮影

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【写真◆仙台市の西多賀小学校体育館の避難所に布団などを持ち込み、しばし休憩=2011年3月12日

 

 2011年3月11日の東日本大震災は、モンゴル人にとっても大きな出来事だった。あらためて当時を振り返ってみる。

 筆者宅の隣に両親が住んでいた家があり、震災当時は、新モンゴル高を卒業し日本の大学に私費留学を目指す受験生と付き添いの教員先輩留学生合わせて20人のモンゴル人が合宿していた。

 マグニチュード9・0の大地震が襲った午後2時46分ごろ、受験生らは仙台市の八木山動物公園にいた。ちょうどホッキョクグマが泳ぐ姿を観察することができるトンネルの中にいたが、急いで飼育舎を出て、地面に座り込んだ。怖いもの知らずの現代っ子たちは、携帯電話を使って動画撮影を行った。地震の記録というよりは自分たちの記念撮影だった。

モンゴルは、ほとんど地震がない。福島大に合格したオドバヤルは、受験で母国を離れる前、日本についていろいろ調べた。日本に行ったら、〆吹雪の中を歩いてみたい∨槓のラーメンを食べたいC録未鯊慮海靴燭ぁ修覆匹塙佑┐討い拭

受験が一段落し、ほっとしていたとき『待望』の地震に遭遇した。オドバヤルは喜んだ。「ああ、地震だ。地震だ」と舞い踊った。しかし、やがて、そんなことは不謹慎極まりないことが、だんだんと分かってきた。彼は後日、「私は間違ったことをしてしまいました」と反省の弁を語った。

受験生たちは、動物公園近くに住む谷口和也東北大准教授宅で開かれるパーティーに参加する予定だった。会合は中止とな、谷口先生の奥さんが用意していた料理を持って合宿所に戻った。合宿所は停電となり、ガスも止まった。水道は無事だった。

夜は、ロソクの明かりの下で食事となった余震が続いた。しかし、みんな明るく元気だった。夕食後、受験生たちは、近くの西多賀小学校の避難所に移動した。合宿所から布団などを持ち込み、体育館の床に横になって、夜を明かした。12日も昼は合宿所、夜は避難所ですごした。合宿所と避難所の往復は手際が良かった。遊牧民の伝統を思わせた。

受験生たちは13日午後、山形県村山市に移動した。村山国際クラブの皆さんとの交流は毎年の恒例行事で当初から予定組まれていた。しかし、行事は途中で打ち切りとなり、14日夕、受験生たちはJR山形駅からバスで成田空港に向かった。モンゴル政府の対応は素早く、国民を帰国させるためのバスと飛行機を手配していた。バスは、福島原発を警戒し山形から新潟経由で成田へ着いた。

山形大のボロルドイは、春休みでモンゴルに帰省し、3月11日、成田空港に戻ったところで地震に遭遇した。交通機関がストップしたため、山形に行くことはできず、様子を見ながら空港にいた。12日、何も問題はなさそうなので、モンゴルの両親に電話し、山形に戻ることを伝えた。しかし、父親から怒られた。「このバガ息子、早ぐ帰ってコって、怒鳴られましたよ」とボロルドイは後日、山形弁を使って私に説明した。

結局、彼は成田空港に5泊し、仙台で合宿していた後輩たちと一緒に16日の便でモンゴルにUターンした。山形に戻ったのは4月になってからだ。

東日本大震災の余波は、いろいろある。国費留学で来日し、東北大に入学が決まっていた男性は、地震後、ほかの大学に希望を変えた。宮城教育大の女性は、地震後に中退しモンゴルに帰国した。

そんな中、「日本に行ったら地震を体験したい」と思っていたオドバヤルは、想定外の体験に変わっても、予定通り福島大に入学した。彼は大学院に進学したとき、福島市で英会話教室を起業した。語学力を生かし通訳業もしている。日本人と結婚し、子もできた。すっかり福島市民だ。私が福島県知事なら、表彰したくなるような頑張り屋さんだ。

(東日本大震災のときモンゴル人はどう行動したかについて詳しくは拙著「あんだいつまでも新モンゴル高校と日本」の第3章「閖上(ゆりあげ)の海」をご覧ください)


▽森修 もり・しゅう 


1950年、仙台市生まれ。元河北新報記者。1998年、山形市で勤務していたとき、たまたま入ったバーでアルバイトしていたモンゴル人の留学生と出会う。以来、モンゴルの魅力に取りつかれ、2005年「モンゴルの日本式高校」、2012年「あんだいつまでも新モンゴル高校と日本」をそれぞれ自費出版。

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毎度、編集長のタケシです。
モンゴル児童保護施設「太陽のこどもたち」が奏でるモンゴル伝統芸能チャリティーコンサートのご案内です。

開催日時
2017年11月10日(金)18:30開演(17:30開場)

開催場所

入場料
(一般)2,000円(高校生以下)1,000円(幼児)無料

なお、同日14時からはモンゴル物産展(入場無料)もあります。

主催者・問い合わせ先
日本モンゴルハッピー協会 024-921-0653


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