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カテゴリ: モンゴル・相撲

2017年3月25日の大相撲春場所で、モンゴル国出身の大関照ノ富士関が、琴奨菊関に「変化」で勝利した際、観客からのブーイングが飛んだことが話題になっています。


youtube動画。観客が撮影したもので、撮影者もしくはその近くにいる観客がブーイングを飛ばし、場内が騒然となっているシーンを確認できます。

問題はここから始まります。

翌日の26日のスポーツ報知オンラインで、「照ノ富士、変化で王手も大ブーイング!『モンゴル帰れ』という見出しの記事が発表され、本文中でも、「観客は驚きで一瞬静まり、激しいヤジが飛び交った。「モンゴルに帰れ!」「恥を知れ!」。」と書かれました。

その後スポーツ報知は28日に上記の内容を記事から削除。29日に「観客のヤジを記述した部分に、ヘイトスピーチを想起させる表現がありました。人権上の配慮が足りず、不快な思いをされた皆様におわびします」と発表しました。

確かに幕内力士たちに対して「モンゴル帰れ」は言いすぎでしょう。
しかしながら、それが「ヘイトスピーチ」にあたるのかは、いくつかの点で議論しなければいけません。

平成28年に施行された「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(通称ヘイトスピーチ規正法)では、ヘイトスピーチの定義は、「適法に居住する」「本邦外出身者」(日本人は対象外になります。)に対する、下記の言動を差します。

「本邦外出身者に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知し又は本邦外出身者を著しく侮蔑するなど、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動」

ここで、相撲を知る人なら常識として知っている内容があります。

大関・横綱は「変化」を用いず、相手の技を正面から受けることが求められます。
大関・。横綱が「変化」を用いて勝った場合、力士の出身地に関係なく、観客から非難されます。


そのため、横綱の白鵬関が36度目の優勝を果たした際も、決まり手が「変化」であったため、観客からも十分な評価を得ることができませんでした。
今回の大関の照ノ富士関の「変化」も、相撲解説員が「一年前と同じパターンだった」と苦言を呈しています。

また、横綱となった稀勢の里関の優勝決定戦も、最後は変化による勝利であったため、怪我をおしての無理な出場とあわせて苦言を呈するニュース記事や論説も見られます。

モンゴル出身の力士は大相撲の心を日々懸命に学び精進を続けていますが、大関・横綱は変化を用いてはいけないという「横綱相撲」ではなく、しばしば「変化」による勝利が続くため、その件でのみ、日本人の観客はモンゴル人力士たちに不満を抱くことがあります。

それは決して、モンゴル人力士を大相撲から排除しよう、というものではありません。

稀勢の里関が19年ぶりに日本人の横綱に昇進したのも、並居るモンゴルの強豪力士達との取り組みの中での勝利を喜ぶものではあっても、モンゴル人力士を差別したり排除したりするものではありません。

では、今回の件で「ヘイトスピーチ」と声を大に情報発信したのは、誰だったでしょうか?

 3月26日のC.R.A.C.のツイートです。
C
https://twitter.com/crac_kawasaki/status/846213932024967170
http://archive.is/JAanT

◆‘3月26日の津田大介氏のツイートです。
tsudadaisuke
https://twitter.com/tsuda/status/846054582912401408
http://archive.is/4HCZD

 27日の佐藤圭氏のツイートです。
satoukei
https://twitter.com/tokyo_satokei/status/846286339502829568
http://archive.is/V56wd

ぁ‘3月27日の「ハフィントンポスト日本版」の3月27日記事です。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/03/27/terunofuji-hochi-report_n_15633468.html

いずれも社会的影響力が強く、ヘイトスピーチ問題に古くから取り組んできた人物・団体です。
詳しくはインターネットで人名を検索すると、記事や批評を参照することができます。

重ねて言いますが「モンゴルへ帰れ」は言いすぎですし、ネット上で無責任に書くことも批判いたします。

しかし、日本人がモンゴル人力士に対してヘイトスピーチを行ったという内容については、事実の確認から情報発信者の傾向まで、ネットユーザーが自分で調べ、検討する必要があると思います。


参照記事:
白鵬関バッシングに日本・モンゴル友好関係の悪化を狙う影
http://mongol.blog.jp/2015/03/25/518270802

民進党の野田佳彦元総理が白鵬関を選挙演説で罵倒!
http://mongol.blog.jp/2016/06/23/51896044

安倍総理のモンゴル国訪問に見られた「脱原発」の正体は?
http://mongol.blog.jp/archives/51749151.html

なぜ、「モンゴル帰れ」は言っちゃいけないのか?!
http://mongol.blog.jp/2017/03/27/51932366

毎度、編集長のタケシです。
大相撲春場所にて、最近注目度が高いモンゴル出身力士の照ノ富士が琴奨菊を勝った
時に、「モンゴル帰れ」と観客の人言ったそうです。

これはもちろん問題と言えば問題ですが、本当の問題は「スポーツ報知」が3月26日に配信した記事の見出しにも使っていたことです。
2017年3月26日6時0分  スポーツ報知
 
照ノ富士、変化で王手も大ブーイング!「モンゴル帰れ」

近年、相撲界は朝青龍以降ずっとモンゴル出身の力士がリードしてきました。そして相撲業界だけじゃない、あらゆる分野で外国人労働者が低賃金で日本の社会に貢献しています。

こうした中、外国人差別用語やヘイトスピーチは断じて許せるものではないと思います。SNSの普及で、我々自身もそのEnterボタンを押す前に、果たしその言葉が誰かを傷つけてないか注意して行きましょう。
 

ベースボール・マガジン社
2017-03-02

 


2017年、相撲が若貴時代以来のブームとなっているようです。

入場客数が90年代の若貴ブームの頃に84万4000人で絶頂期でしたが、今はそれに迫る入場者だそうです。2015年は76万人だったとのことです。


白鵬、日馬富士、鶴竜、稀勢の里と4横綱時代となって、今後益々、注目の場所となりそうです。この4人中3人がモンゴル出身の力士となります。

sumo

「相撲よ!」は、モンゴル出身で優勝回数歴代最多の37回第69代横綱「白鵬 翔」の自伝です。


幼少期の日本相撲を目指すようになった経緯から、モンゴル相撲の横綱であるお父さんのこと、モンゴル人の日本に対する感情、四股名の由来、奥様との出会いなど今までの経緯を赤裸々に記載された内容になっています。


もちろん、相撲に関してのことも記載されており、心技体からくる心の重要性、筋肉に関する鍛え方の重要性などについても言及されています。


欧米式のトレーニングではなく、「四股」「鉄砲」「すり足」「腕立て」の伝統的な基本の鍛え方の重要性が良くわかります。

sumo2

モンゴルでは日本の相撲は大人気で、複数の局が放送されているそうです。


「横綱、力士の品格とは何か? 日本の伝統とは何か?・・・・。」といったファンならずとも気になる部分についても記載されています。

以下、引用・・・

相撲について多くのことを学んできたが、相撲の本質を知るにつれ、強いだけではいけないのだ。ガッツポーズもやるべきではないということがわかってきた。


私の知り得た情報の一部を以下に記すが、日本文化や伝統を同時に知ることができておもしろい。


まず、相撲は格闘技の一つではないということだ。

神事であることを見落としてはいけない。

モンゴルにも国を挙げて行なうナーダムという祭りがあるが、その祭事の一つとしてモンゴル相撲の競技が行なわれる。そういう意味では少し共通点がある。

大相撲における「神」とは、八百万(やおろず)の神である。土俵のしつらえや力士が行なう所作の一つ一つが、神と関わっている。


そこは、『神の降りる場所』なのである。 〜〜略  とにかく土俵は神が降りる場所であるから、けがれを入れないのが大原則。

出典:
相撲よ!白鵬 翔


モンゴルでは、壁を乗り越えないと地位につけない『壁を破って地位につく』という言い方があるそうで、横綱になるのなら朝青龍関を倒してからだと思っていたそうです。



以上、若干、相撲よりの記事になってしまいましたが、個人的にはモンゴルと日本を繋ぐ架け橋として、「相撲」も魅力的な要素の一つだと思っています。



ちなみに余談ですが、座布団が投げられる意味は、元は座布団ではなく羽織や帽子で名前が書いてあり、お相撲さんが後で持ち主に届けるとご祝儀を貰えたそうです。それが、様々な物が飛んでくるから危ないという理由で禁止されたそうです・・(笑

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