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カテゴリ: 料理

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モンゴル料理2

毎度、編集長のタケシです。
東京も風が冷たくなり、紅葉見ごろの時期になりましたね。

今日はモンゴル大好きな日本人の友達と鶴見にあるモンゴル料理屋に行きました。

モンゴル料理店ワンセンベル
場所 京急本線京急鶴見駅東口 徒歩1分

そもそも鶴見にモンゴル料理屋があるとあまり聞いてないのでは?
始めて行ったが味は本場モンゴルの家庭料理の味でした。美味しかったです。

写真はあまり撮れなかったがいろいろ食べました。
  • チャンサンマハ(骨付きの羊肉羊の塩茹で)
  • ボーズ(蒸し餃子)
  • ホーショール(揚げ餃子)
  • ゴリルタイ シュル(羊肉のモンゴルうどん)
  • アルヒ(モンゴルのウォッカ)をサービスしてくれました。感謝です。

ちなみにモンゴル料理屋が来年からはモンゴルパブに変身するです。
モンゴル料理食べたい方はぜひ早いうちに行ってみてください。
 
フライパン1つで100レシピ (NHK「きょうの料理ビギナーズ」ハンドブック)
高木 ハツ江
NHK出版
2013-04-30


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sake
チャガンイデー、オラーンイデーと同じく、モンゴル飲食文化の中で酒も重要な位置を占めています。旅行でモンゴルに来たとき、初対面のモンゴル人と食事をするとき、いずれも酒のもてなし(洗礼?)を受けることになります。避けて通ることはできません。

●モンゴル人も苦しい
米、こうりゃん、麦などからつくる、アルコール度数の高い酒をモンゴル語で「黒い酒」と言います(他に馬乳を原料とする酒もありますがここでは触れないことにし、以下「酒」という場合はこの「黒い酒」のことを指します)。「黒い」といっても色自体は透明で本当に黒い色をしている訳ではなく、ここでは「純粋な」という意味です。アルコール度数は低いもので40度程度、高いものだと60度以上のものもあり、この「純度の高さ」を指しているのです。

ここで少々脱線し、モンゴル人の色に対する考え方を紹介します。
まず「白」は最も神聖な色とされています。例えば旧暦のお正月をモンゴル語で「チャガンサル」(白い月)と言います(2005 年のチャガンサルは内モンゴルでは2 月9 日です)し、また儀式などの際に使われる「ハタグ」という絹も純白です(ちなみに、古代シャーマニズムの天の崇拝を起源とする青いハタグもありますが、白い方がよく見られます)。上述したチャガンイデーが飲食において重要な役割を担っていること、また「五畜」の中で肉を最もよく食べる羊の毛が白であることなどが主な理由ではないかと思います。

逆に、黒は良い色とは思われません。水は時に「黒い水」と呼ばれます。この時はいい意味はありません。ですから、お客さんにスーテー茶でなく水を出す時は、最初にお碗に牛乳を数滴たらしてから水を注ぎます。また、上述した「夜チャガンイデーを外に持ち出してはいけない」というタブーは「神聖な白が暗闇の黒で汚される」という考えが根底にあるからではないでしょうか。

酒は決して悪いものではなく、むしろ縁起の良い物なのですが、それを「黒い」と言い表すのはおもしろいと思います。

酒の話に戻りましょう。
モンゴル人は、この強烈な酒をストレートで飲みます。割り物はありません。よく飲まれるのは最低の38度の酒ですが、これでもじゅうぶん強烈で、また独特の匂いもあります。飲み慣れない人はとてもではありませんが「おいしく飲む」という訳にはいかないでしょう。

以前、中国語の先生(モンゴル族)が留学生を昼食に招待してくれた時、当然のことながらこの黒い酒が出てきたのですが、実はこの先生、酒は好きではなかったのです。でも「大勢で食事をする時に酒がないのはもの足りない」ということで、誰に強要された訳でもないのに苦しそうな顔をして飲んでいたのが印象的で忘れられません。

酒もチャガンイデーと同じく贈り物として用いられますが、いつ、誰にでも贈って良いチャガンイデーとは少々違い、酒は「正式」というか「固い」というような感じがあるようで、一般的に年下の人に贈ることはありません。

ちなみに、相手が酒を飲めるかどうかは関係ありません。「酒を贈る」ということ自体に尊敬の念がこめられているのです。

以前、遊牧民のゲルを訪ねた時に酒を手土産として持って行ったという例を見たことがありました。草原ツアーなどでゲル訪問をなさる時は参考にされると良いでしょう。
 
【寄稿者プロフィール】
田中英和
中国語・モンゴル語講師、モリンホールの演奏・講師など。

ミラクル・ジャーニー わが子を癒したモンゴル馬上の旅
ルパート アイザックソン
早川書房
2010-04-09

 

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ゲル
写真は干し肉作り

前回の記事:殺そうとして殺したんじゃない

●オラーンイデーのマナー、タブー

オラーンイデーに関するマナー、タブーは食卓に上るまでに多くのルールがあり、食べる際にはそれほど多くはありませんが、それでもいくつか存在します。その中から2〜3紹介しましょう。

肉は基本的に骨付き肉で、時にはかぶりつき、時にはナイフで切り取り、骨が真っ白になるまで徹底的に食べます(これがかなり難しく、どうしても筋などが残ってしまいますが、モンゴル人はおそろしくきれいに肉を食べます。食べ終わった後の骨には本当に肉がまったくついておらず「見事!」の一言に尽きます)。しかし頭の肉を食べる時はかぶりついてはならず、必ずナイフで肉を切り取って食べます。

もうひとつ頭の肉について、目、耳を食べる時は必ず一対食べます。片目(片耳)だけ食べるのはタブーで、目なら両目、耳なら両耳を食べます。

ナイフは肉が盛ってある皿には置かず、ナイフ専用の皿に置きます。

以上のマナーは内モンゴルにいらした際にみなさんに関わるかもしれないものですが、観光用のゲルで出てくる肉は食べやすいようあらかじめ骨から切り離された状態で出てくるし、モンゴル人の友達と一緒にモンゴル料理屋に行けば、その友達が肉を切ってみなさんに配ってくれるでしょうから、上記のルールを知らなくても問題ないかもしれません。

【寄稿者プロフィール】
田中英和
http://yeheamtatai.blog.fc2.com/
中国語・モンゴル語講師、モリンホールの演奏・講師など。
 
遊牧民から見た世界史 増補版 (日経ビジネス人文庫)
杉山 正明
日本経済新聞出版社
2011-07-02




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●「殺そうとして殺したんじゃない」

さて、こうして「出した」後ですが、ここからは作業を男女で分担します。

男性は肉から皮をきれいにはぎ、解体していきます。慣れた人ならものの10数分で作業を終わらせてしまいます。しかも血で大地を汚すこともありません。私はこの解体シーンを何回も見ましたが、「残酷」と思ったことは一度もなく、むしろ美しささえ感じたこともあります。これがナイフを突き刺す「血のショー」だったら、とてもそうは思えないでしょう。

一方、取り出した内臓は女性の手に渡り、腸の洗浄・腸詰め作業が行われます。血も捨てず、小麦粉などと混ぜて腸詰めにして食べます。

冬は基本的に家畜を「出す」ことはあまりしないので、冬に食べる分を秋のうちに準備することになります。そして家畜を「出した」日には儀式が行われ、ここでも祝詞をあげるのですが、スーテー茶を捨てる時と同じく「祝詞」という神聖さよりもむしろ「責任逃れ」と言った方がふさわしい内容となっていて笑えます。

牛を「出した」時:「寝っ転がっていたら(反芻した草が)喉につまって死んだんだよー」
馬を「出した」時:「馬にロープが巻きついて死んだんだよー」

ちなみに、解体する頭数が多いせいか、羊については言い訳する祝詞すらないようです。

解体後は肉の保存作業をします。主に2種類あり、ひとつは細切りにして塩をまぶしてゲルの天井に吊り、煙でいぶす方法、もうひとつは家畜の胃に詰めて砕いた氷の中に入れて冷凍保存する方法です。食べる時は鍋に入れてゆでます。

肉の調理はほとんどが「ゆでる」ですが、「焼く」という方法もあります。ただこれは保存食ではなく、しかもラマ僧やお偉いさんなどを招待する時の特別な調理法で、一般の人はほとんど食べません。

羊の丸焼きのことを「ジョマー」と言います。羊の内臓と血を取り出した後、毛だけ刈って皮ははがず、空っぽのお腹の中にネギや塩を詰めて縫い合わせ、かまど、または熱く焼いた砂の中に入れて焼くというものです。おいしそうですね。

【寄稿者プロフィール】

田中英和
中国語・モンゴル語講師、モリンホールの演奏・講師など。

D14 地球の歩き方 モンゴル 2013~2014
ダイヤモンド社
2013-02-16

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羊の解体
写真
は「モンゴル式羊の解体」

こちらの記事を読む前に前回の記事を読むとより理解が深まるでしょう。
モンゴルの食文化 (1〜3) 

チャガンイデーが乳製品全般を指すのに対し、オラーンイデーは肉に関連する食べ物を指します。
 
モンゴル料理においては、肉の調理法は主に「ゆでる」と「焼く」という2種類がありますが、ほとんどの場合は「ゆでる」という方法がとられ、そのゆで汁もオラーンイデーに含まれます。

日本人の感覚からすると、肉がメインでゆで汁はあまり気にしませんが、モンゴルでは逆で、ゆで汁の方がゆでた肉よりも大事なのです。ですからお客さんを家に招く時のセリフは「ゆで汁を飲みに来て下さい」であり、「肉を食べに来て下さい」とは言いません。そう言うと、お客さんは「つらい目には遭いたくない」となります(モンゴル語の「肉を食べる」という言葉には「つらい目に遭う」という意味があります)。また「新米の医者にかかるよりも新鮮な羊肉のゆで汁を飲め」ということわざもあります。

●家畜を「出す」
先に挙げた「五畜」ですが、その全ての肉を平均的に食べる訳ではありません。一番よく食べるのは羊、次が牛とヤギで、馬とラクダはめったに食べませんが、馬を比較的よく食べる地域もありますし、東部では豚もよく食べたり、と地域差があります

モンゴル人は「きれいな肉」だけを食べ、「汚い肉」は食べません。「きれいな肉」とは食べる目的で殺した家畜の肉のことであり、それ以外の肉、例えば病死や溺死、雷に打たれて死んだ家畜、野獣に襲われて死んだ家畜などの肉はすべて「汚い肉」になります(ただし信仰の厚い人の中には、狼に襲われて死んだ家畜の肉を「罪のない肉」として食べる人もいます)。

また、年老いた家畜、子をたくさん産んだ家畜、群のボス、よく働いてくれた家畜なども食べません。

で、肉を食べるためには当然解体をしなければならず、まずは家畜を殺す所から始まるのですが、ストレートに「殺す」とは言わず、「(家畜を)出す」という言い方をします。これは「家畜の魂を肉体から出す(そして肉体を残す)」といった意味合いがあります。他に「スープを出す」という言い方をすることもありますが、ここまで読み進めて下さった方なら、この理由はもうおわかりですね。

家畜の「出し方」には主に2種類あり、そのうちのひとつ目は家畜を仰向けに寝かせて胸を切り開くという方法です。草原ツアーなどでいらした方の中には、この方法をご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

細かく説明しますと、羊の前足と後足をしっかり押さえて動けないようにし、握りこぶしがひとつ入る程度に胸に切れ目を入れます。次にそこから右手を突っ込み(左手を突っ込んではいけません)、大動脈をちぎります。そうすると1分もたたずに羊は出血多量で死んでしまいます。この方法のメリットは2つあり、ひとつ目は家畜をあまり苦しませないで「出せる」こと、もうひとつは胸腔内に血がたまるので回収が容易であることです。もうひとつ、これはシャーマニズムとの関連ですが、「家畜が死ぬ時に上を向いて死ぬと、その魂が天に召される」と信じられています。「家畜は(草を食べるために)いつも下を向いている、それを仰向けにすれば上を向く」という訳です。

羊のような比較的非力な動物なら男2〜3人で押さえつけることは可能ですが、これが牛となるとそうはいきません。そこで牛を「出す」前に一工夫します。

工夫その1
斧を持って牛に近づき、牛に気付かれる前に斧の背で牛の2本の角の間をぶん殴って(!)気絶させます(これを読んで笑うなかれ、これには一撃で牛を気絶させる力とテクニックが要求され、しかもしくじろうものなら怒った牛に反撃される危険性もあるのです!)。そして牛が意識を取り戻す前に素早く仰向けにして胸を切り開き、大動脈をちぎります。

工夫その2
牛の足をしっかり縛って動けないようにして解体に入る。こちらは「一般的」という感じはしますが、その1と違い牛に苦しみを味わわせることになります。しかも牛は恐怖を感じると心臓と血管が膨張し(なんかウソみたいですが、本にそう書いてありました)大動脈をちぎるのが難しくなるので、スピードが要求されます。

家畜の「出し方」の2つ目は、首のあたりにナイフを刺して出血させる方法です。主に大型の家畜に対して行われます。

この方法は、羊に対しては絶対に行ってはいけません
モンゴル帝国時代には征服した各地で「家畜の首にナイフを刺して殺してはならない。必ず仰向けにして胸を切り開いて『出す』こと」という法律で規定していたくらいです。これがフビライハーンの元朝になるとさらに徹底され「首にナイフを刺して羊を殺した者は同じように処罰し、その妻子と財産を通報者に与える」という厳しい罰則がつくようになりました。

【寄稿者プロフィール】

田中英和
中国語・モンゴル語講師、モリンホールの演奏・講師など。

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