モンゴル情報クローズアップ!

モンゴルの文化、ビジネス、投資、観光、最新話題など幅広い情報をお届けします。(通称:モンゴルなう)

カテゴリ: モンゴル・経済

TheInternationalConsortiumofInvestigativeJournalists
ICIJの"Panama Papers"ページより

ややインテリジェンスなネタを書きます。


結論:
・モンゴルのパナマ文書のデータベースを探ると、中国とのかかわりがみられる。シンガポール、北京を介した英国バージン諸島。モンゴルで富を蓄える層は中国との関係を深める傾向がますます強まるのでは?と言える。見えない水面下で中国の侵食が進んでいるとみることができる。(スイスに冨を蓄えているのがN●●●●●社のオーナーというという話を聞いたことがありますが・・・どうなんでしょう。)


いま巷でパナマ文書が話題となっております。日本語のものよりは、英語の解説の方がリアルタイムで核心をついていると思います(日本はスポンサータブーがあるため控えめです)。


What are the Panama papers and why do they matter?
http://www.economist.com/blogs/economist-explains/2016/04/economist-explains-1
The lesson of the Panama papers
http://www.economist.com/news/leaders/21696532-more-should-be-done-make-offshore-tax-havens-less-murky-lesson-panama-papers
Panama papers: Mossack Fonseca headquarters raided
http://www.bbc.com/news/world-latin-america-36032325
「パナマ文書」何を明らかに
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2016_0408.html
「パナマ文書」とは何なのかまとめ、問題の本質や資産隠しの現状、そして各界の反応は
http://gigazine.net/news/20160406-panama-papers/


ICIJ(International Consortium of Investigative Journalists、国際)という、クロスボーダー犯罪、腐敗、権力濫用を監視する国際調査報道機関がデータベースを公表して、話題になっています。

では、資源ブームで富を蓄えた人がいるとされるモンゴルはどうなのでしょうか、と思いちょっと調べてみました。

まずは、ICIJの"Offshore Leaks Database(オフショア流出データベース)"から見てみました。これは、英国バージン諸島、クック島、シンガポールなどの10の地域のタックスヘイブン(租税回避地)のどこに、だれ・どの企業がオフショアを登録してるかわかるデータベースとなっております。

ICIJ OFFSHORE LEAKS DATABASE

ICIJOFFSHORELEAKSDATABASE_MONGOLIA

↑データベースでは、右から見ると顧客として5人、オフショアは無し、このリストにあるモンゴル人?もしくは中国人らしき人物たちの住所が載っています。ウランバートルと内モンゴル呼和浩特がありました。モンゴル自体はオフショア地域にはなっておりません(税金の取り立ては外国人に非常に厳しい国ですので・・・)。

これを見てわかることは、モンゴルにいるモンゴル人・中国人らしき人物はシンガポールおよびヴァージン諸島のオフショアを活用していることです。

一つ気になったのは、モンゴル人がDirectorとして登録されているヴァージン諸島にある会社は、北京の投資顧問会社ともかかわりのある中国人だらけの会社というところでした。これは何を意味するか、というと裏で中国とのマネーのやり取りが深化しているということなのではないでしょうか。

以前でも書きましたが、Mongolian Economyにて、シンガポールにいるモンゴル人は教育目的でいる方々が多く、子供に英語と中国語を教えるのが目的である、とありました。

Singapore: A small country with big experience
http://mongolianeconomy.mn/en/w/5117

そして、いまホットな話題のパナマ文書の分布図にて、一応モンゴルがありました。

以下のURLは、Mossack Fonsecaというパナマのタックスヘイヴン企業設立支援をしていた法律事務所の顧客の分布を地図で可視化したものです。モンゴルから、はるばる地球の裏側のパナマにかかわっているのが、すごいと思います。(モンゴルにはキューバ大使館がありますが・・・)

https://briankilmartin.cartodb.com/viz/54ddb5c0-f80e-11e5-9a9c-0e5db1731f59/embed_mapPanamaPaper_Mongilia
↑1名の利益受益者(Beneficiary)、26名の株主(投資家)(Shareholders)

で、これ、モンゴル政府はどう動くのでしょうか?たぶん、大きくは動けないかと思います。

ちなみに、日本の国税庁はこういったクロスボーダー徴税案件にも乗り出してきており、国税庁職員がシンガポールの当局と英語でテレカンをしている場面をテレビのドキュメンタリーで見たことがあります。

クロスボーダー取引の拡大・変容と質問検査権の行使等に関する研究
https://www.nta.go.jp/ntc/kenkyu/ronsou/46/fujimaki/hajimeni.htm

いわゆる「クロスボーダーの三角合併」により外国親法人株式の交付を受ける場合の課税関係
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/33/38.htm

参考:モンゴルの国税局のサイトは以下です。

Татварын Ерөнхий Газар
http://www.mta.mn/

ちなみに、モンゴルでは外国人・外国企業に対する税金の取り立てはかなり厳しいです。少しでも遅れたり不正をすると追加徴税などが容赦ないので、気を付けましょう。

モンゴルで社長をやらないかということでやると応え、会社を引き継ごうとしたら、その会社は税金を支払っていなく、何も罪もなく関係もないのに刑務所(外国人の脱税や税金未払いは厳しいため)に勝手に入れさせられそうになった、というケースがあったそうです。

社会学者マックス・ウェーバーによれば「国家とは、いかなる形態・方法であれ暴力を使用することについての正統性の根拠である」とのことです。この国家の権威・権限からうまく逃れる形が露わになったのがパナマ文書だったのではないでしょうか。

今回は、ここまで。

モンゴル 株式 市場

毎度、編集長のタケシです。
日本にようやく春が訪れ、開花と言ったところではないでしょうか。日本経済はともかも、世界経済には春がまだまだ遠い感じがします。

そんな中モンゴルも特別ではありません。
モンゴル経済の「今」を知る重要なニュースをご覧ください。

 (1)モンゴル、商品相場安で受けた傷跡
モンゴルでは経済発展に伴い国際的なブランドの進出や高級ホテルの建設が進んだが、コモディティー(商品)相場の下落で大きな打撃を受けた。建設セクターは2011年半ばのピーク時に急成長を遂げたが、現在は中断されたプロジェクトが首都ウランバートルに傷跡を残している。
出典 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版


Mongolia: Land of Lost Opportunity
英語になりますが、内容の方はこちらがお勧めです。
http://www.wsj.com/articles/mongolia-land-of-lost-opportunity-1458518881


(2)モンゴル石油開発合弁会社、平壌から撤収
国際社会の相次ぐ対北朝鮮制裁で北朝鮮の孤立が深まる中、北朝鮮の伝統的な友好国であるモンゴルまでも背を向けた。北朝鮮とモンゴルは1948年に国交を結んだ。 

北朝鮮の石油開発合弁事業パートナーであるモンゴルの「エイチビーオイル(HBOil JSC)」が最近、事業の撤収を決めたことが確認された。政府当局者は21日、「3日、国連の対北制裁決議案が採択される頃、事業撤収が決まったと把握した」と述べた。 

エイチビーオイルは2013年5月、北朝鮮羅先市にある勝利化学連合企業所の株式20%を1000万ドルで取得した。その後、エイチビーオイルは2014年5月、北朝鮮内陸地域の石油開発事業のために北朝鮮「朝鮮原油開発総会社」と平壌(ピョンヤン)に共同事務室を設置することにした。 
出典 [中央日報/中央日報日本語版]

モンゴリアンマイニング

(3)モンゴリアン・マイニングが取引再開、債務不履行の可能性
モンゴルの炭鉱事業者モンゴリアン・マイニング(00975.HK)は14日大引け後、今月下旬に予定されている債券と借入金の元利払いが困難な状況にあり、デフォルト(債務不履行)に陥る可能性があると発表した。同社は14日に株式取引を停止していたが、15日の現地時間午前9時に取引を再開した。
 
出典 DZHフィナンシャルリサーチ(2016/03/15)



そもそもなぜモンゴル経済がここまで落ち込んだのか?
  • 官僚の腐敗
  • 法制度の未熟
  • 資源依存
  • 中国依存が最悪の結果

個人的にはこう分析しています。
(1)不景気の原因の一つは官僚の腐敗です。高級レストランにつれて裏で金を渡せば大体勝負できる社会です。(2)そして、法制度の未熟さです。長期+安定的な法制度がないと外国から投資家の誘致はかなり難しいでしょう。例でいうと以前鉱山開発で莫大な資金を調達したものの、その後のライセンス返却の問題がおき、多くの外国人投資家が損失を出しています。 (3)モンゴルは資源のデパートと言われているほど鉱山資源大国です。しかし、近年の原材料価格の低下で結局のところ資源を上手く活かせることができなかったです。(4)最大の原因は中国依存が最悪の結果です。御存知の通りにモンゴルは輸入も輸出も中国がその半数以上を占めています。そのため「中国がくしゃみをするとモンゴルは風邪を引く」状態です。ようは、中国景気減速だったんです。


モンゴルが今後どうすれば景気回復に繋がるのか?
上記の四つの問題点を一つ一つクリアすればいいんです。官僚腐敗を防止するために監督制度を作る;先進国の法制度を取り入れる、変える;鉱山資源依存を脱出する、物作り、観光資源を活かす;脱中国依存、もっと日本やヨーロッパなどの国と関係を作る。

果たし、モンゴル経済の「桜」はいつ咲くのでしょう?



Сайн байна уу? Энэ жил маш хүйтэн.

今日、図書館で資料を探している中、たまたま東洋経済新報社の『海外進出企業総覧[国別編]』を見て、面白いと思っていろいろ調べてしまいました。

このデータですが、日本企業の上場・未上場のおよそ6,000社以上へアンケートを送って、回答を集計したものらしいです。アンケートの回収率は、毎年50%ぐらいと一定していて、だいたい参考値となるものと思われます。

アジアのフロンティア新興国(中国は補足)における日本企業の数値を以下にまとめてみました。

日本企業海外進出企業アジア新興国2015

2015年のモンゴルにある現地法人は以下となります。

・Azuma Shipping Mongolia LLC (東海運100%)
・Dai Nippon Mongolia LLC (大日本土木100%)
・Digital Center Co., Ltd (東京ソフト)
・Khan Bank (澤田ホールティングス40%、Tavan Bogd Trade 22%、International Finance Corp 9%、Developmenta Alternatives 2%)
・Mobicom Corp.(住友商事 33%、KDDI Overseas Holdings 30%、Newcom 36%)
・Suruga Mongol XXK(スルガコーポレーション100%)
・Tandem Global Logistics Mongolia LLC(東海運95%)
・TaniZam(NIPPO 70%、Bridge Construction 30%)
・Tenger Finicial Group LLC (オリックス16%)
・Transwest Mongolia (住友商事)
・Vuteq Mongolia Co.,Ltd (尼崎工作所20%、KTX20%、ビューテック20%、冨貴工業20%、山本製作所20%)
・ZAMine Service LLC (丸紅50%、Tavan Bogd Trade 50%)
(出典:東洋経済新報社『海外進出企業総覧[国別編]2015年度版』)
※以前はHasebe International(フラワーホテル)、GrapeCityが記載があったが、2015年度は無し(会社は現在でもちゃんと存在している)

モンゴル在住の方もしくはいたことがある方ですと、あれ、この中にあの企業が無いじゃないか、と思われる方も多々いると思います。INIJCB新潟クボタ(MJパートナーズ)Sankou Tech MongoliaShibasaki MongolSakura Construction、Daiei Probis Mongol、Tomio Holding(モンゴル事業)、今朝日本語学校その等々(諸事情により名前を出すなと言われた会社もあるので、ここまでに控えておきます)。大手もありますが、主に地方の新進気鋭な中堅、中小企業ががんばっております。

5割回答のアンケートによる統計なので、しょうがないのかもしれません。ということは、ミャンマー、ラオスも同じように見えないところで活躍されている会社が結構かるかも思われます。

しかし、結果を見ますと、どうしても成長が見込まれるミャンマー、カンボジアに比べてしまうと、モンゴル、もうちょっと頑張ってもいいんじゃないかと思います。特に2013年以降。

筆者がモンゴルにいるとき、モンゴル人から「日本企業は勇気が無い」「日本人は時間ばかりかけて結局来ない」「決定しない」といろいろ指摘を受けることがありました。

私から、厳しいことを言わせてもらうと、日本企業はかなりのコストをかけてリサーチをして、feasibility studyを行い、段取りを十分にしてから進出を決めます。決して、勇気が無いわけではありません。投資をして「ちゃんと」リターンが見込めるか否かを十分に時間をかけて検討しています。

その結果、ミャンマーやカンボジアの方が進出が盛んになっている、という結果が言えるかもしれません。

そこまで、私が強く言ってしまうのは、私が実際に現地で仕事をしていた時、モンゴルの地元企業や政府機関は「待ち」が多く、暇そうにしている様子だった印象的だったというのがあります。 自分から、頭を下げて営業をするというのは、やりたがらないのが明白でした。

DSC00686
モンゴル投資局の資料。2014年に手に入れた資料で古いですが、にコンサルタントの視点からすると、データなどがかなり粗く、説明もMECEに整理されておらず、根拠もあれで・・・。これで投資を呼び寄せるには、心もとない・・・。もっと投資を呼び寄せる工夫が大幅に必要だと思います。日本語など多言語に対応して、きめ細やかに、現地法人のやる気を伝えるような・・・。

この「待ち」の意識を変えないと、投資家を呼び寄せることはできません。ミャンマー、カンボジア、ラオス、インドネシア、ベトナムなど様々な選択肢の中に、後塵を拝してしまいます。

アジアだけでなく、中東も見ると、最近では、欧州諸国の中では経済制裁が解除されたイランと大型商談が成立し、日本企業をの進出を煽る雰囲気もあります。

イラン大統領イタリア訪問 2兆円超の経済協力へ
アングル:制裁解除で商機、イランがエアバス100機超購入へ

また、カタールでは、日本企業とカタール企業との間で投資における協力関係が強化されることを希望するというニュースがありました。
岸田外務大臣とアティーヤ・カタール国行政監督庁長官との会談

これらの国々とモンゴルは競争状態にある、という意識が大事だと思います。

もちろん、日本人・日本企業もモンゴルのことをあまりにも知らないことにも問題があります。まだ未だに「アジアのドバイになるか」なんて古い情報を言っている全国紙があったりして、驚くことがあります。 

現地で情報を手に入れるのはただではありません。しっかり、現地に行って、モンゴル語・日本語でコミュニケーションをとって、理解をとことんすることが大事だと思われます。 確認作業を常に怠らない事です。

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