モンゴル情報クローズアップ!

モンゴルの文化、ビジネス、投資、観光、最新話題など幅広い情報をお届けします。(通称:モンゴルなう)

カテゴリ: 経済

TheInternationalConsortiumofInvestigativeJournalists
ICIJの"Panama Papers"ページより

ややインテリジェンスなネタを書きます。


結論:
・モンゴルのパナマ文書のデータベースを探ると、中国とのかかわりがみられる。シンガポール、北京を介した英国バージン諸島。モンゴルで富を蓄える層は中国との関係を深める傾向がますます強まるのでは?と言える。見えない水面下で中国の侵食が進んでいるとみることができる。(スイスに冨を蓄えているのがN●●●●●社のオーナーというという話を聞いたことがありますが・・・どうなんでしょう。)


いま巷でパナマ文書が話題となっております。日本語のものよりは、英語の解説の方がリアルタイムで核心をついていると思います(日本はスポンサータブーがあるため控えめです)。


What are the Panama papers and why do they matter?
http://www.economist.com/blogs/economist-explains/2016/04/economist-explains-1
The lesson of the Panama papers
http://www.economist.com/news/leaders/21696532-more-should-be-done-make-offshore-tax-havens-less-murky-lesson-panama-papers
Panama papers: Mossack Fonseca headquarters raided
http://www.bbc.com/news/world-latin-america-36032325
「パナマ文書」何を明らかに
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2016_0408.html
「パナマ文書」とは何なのかまとめ、問題の本質や資産隠しの現状、そして各界の反応は
http://gigazine.net/news/20160406-panama-papers/


ICIJ(International Consortium of Investigative Journalists、国際)という、クロスボーダー犯罪、腐敗、権力濫用を監視する国際調査報道機関がデータベースを公表して、話題になっています。

では、資源ブームで富を蓄えた人がいるとされるモンゴルはどうなのでしょうか、と思いちょっと調べてみました。

まずは、ICIJの"Offshore Leaks Database(オフショア流出データベース)"から見てみました。これは、英国バージン諸島、クック島、シンガポールなどの10の地域のタックスヘイブン(租税回避地)のどこに、だれ・どの企業がオフショアを登録してるかわかるデータベースとなっております。

ICIJ OFFSHORE LEAKS DATABASE

ICIJOFFSHORELEAKSDATABASE_MONGOLIA

↑データベースでは、右から見ると顧客として5人、オフショアは無し、このリストにあるモンゴル人?もしくは中国人らしき人物たちの住所が載っています。ウランバートルと内モンゴル呼和浩特がありました。モンゴル自体はオフショア地域にはなっておりません(税金の取り立ては外国人に非常に厳しい国ですので・・・)。

これを見てわかることは、モンゴルにいるモンゴル人・中国人らしき人物はシンガポールおよびヴァージン諸島のオフショアを活用していることです。

一つ気になったのは、モンゴル人がDirectorとして登録されているヴァージン諸島にある会社は、北京の投資顧問会社ともかかわりのある中国人だらけの会社というところでした。これは何を意味するか、というと裏で中国とのマネーのやり取りが深化しているということなのではないでしょうか。

以前でも書きましたが、Mongolian Economyにて、シンガポールにいるモンゴル人は教育目的でいる方々が多く、子供に英語と中国語を教えるのが目的である、とありました。

Singapore: A small country with big experience
http://mongolianeconomy.mn/en/w/5117

そして、いまホットな話題のパナマ文書の分布図にて、一応モンゴルがありました。

以下のURLは、Mossack Fonsecaというパナマのタックスヘイヴン企業設立支援をしていた法律事務所の顧客の分布を地図で可視化したものです。モンゴルから、はるばる地球の裏側のパナマにかかわっているのが、すごいと思います。(モンゴルにはキューバ大使館がありますが・・・)

https://briankilmartin.cartodb.com/viz/54ddb5c0-f80e-11e5-9a9c-0e5db1731f59/embed_mapPanamaPaper_Mongilia
↑1名の利益受益者(Beneficiary)、26名の株主(投資家)(Shareholders)

で、これ、モンゴル政府はどう動くのでしょうか?たぶん、大きくは動けないかと思います。

ちなみに、日本の国税庁はこういったクロスボーダー徴税案件にも乗り出してきており、国税庁職員がシンガポールの当局と英語でテレカンをしている場面をテレビのドキュメンタリーで見たことがあります。

クロスボーダー取引の拡大・変容と質問検査権の行使等に関する研究
https://www.nta.go.jp/ntc/kenkyu/ronsou/46/fujimaki/hajimeni.htm

いわゆる「クロスボーダーの三角合併」により外国親法人株式の交付を受ける場合の課税関係
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/33/38.htm

参考:モンゴルの国税局のサイトは以下です。

Татварын Ерөнхий Газар
http://www.mta.mn/

ちなみに、モンゴルでは外国人・外国企業に対する税金の取り立てはかなり厳しいです。少しでも遅れたり不正をすると追加徴税などが容赦ないので、気を付けましょう。

モンゴルで社長をやらないかということでやると応え、会社を引き継ごうとしたら、その会社は税金を支払っていなく、何も罪もなく関係もないのに刑務所(外国人の脱税や税金未払いは厳しいため)に勝手に入れさせられそうになった、というケースがあったそうです。

社会学者マックス・ウェーバーによれば「国家とは、いかなる形態・方法であれ暴力を使用することについての正統性の根拠である」とのことです。この国家の権威・権限からうまく逃れる形が露わになったのがパナマ文書だったのではないでしょうか。

今回は、ここまで。

モンゴル 株式 市場

毎度、編集長のタケシです。
日本にようやく春が訪れ、開花と言ったところではないでしょうか。日本経済はともかも、世界経済には春がまだまだ遠い感じがします。

そんな中モンゴルも特別ではありません。
モンゴル経済の「今」を知る重要なニュースをご覧ください。

 (1)モンゴル、商品相場安で受けた傷跡
モンゴルでは経済発展に伴い国際的なブランドの進出や高級ホテルの建設が進んだが、コモディティー(商品)相場の下落で大きな打撃を受けた。建設セクターは2011年半ばのピーク時に急成長を遂げたが、現在は中断されたプロジェクトが首都ウランバートルに傷跡を残している。
出典 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版


Mongolia: Land of Lost Opportunity
英語になりますが、内容の方はこちらがお勧めです。
http://www.wsj.com/articles/mongolia-land-of-lost-opportunity-1458518881


(2)モンゴル石油開発合弁会社、平壌から撤収
国際社会の相次ぐ対北朝鮮制裁で北朝鮮の孤立が深まる中、北朝鮮の伝統的な友好国であるモンゴルまでも背を向けた。北朝鮮とモンゴルは1948年に国交を結んだ。 

北朝鮮の石油開発合弁事業パートナーであるモンゴルの「エイチビーオイル(HBOil JSC)」が最近、事業の撤収を決めたことが確認された。政府当局者は21日、「3日、国連の対北制裁決議案が採択される頃、事業撤収が決まったと把握した」と述べた。 

エイチビーオイルは2013年5月、北朝鮮羅先市にある勝利化学連合企業所の株式20%を1000万ドルで取得した。その後、エイチビーオイルは2014年5月、北朝鮮内陸地域の石油開発事業のために北朝鮮「朝鮮原油開発総会社」と平壌(ピョンヤン)に共同事務室を設置することにした。 
出典 [中央日報/中央日報日本語版]

モンゴリアンマイニング

(3)モンゴリアン・マイニングが取引再開、債務不履行の可能性
モンゴルの炭鉱事業者モンゴリアン・マイニング(00975.HK)は14日大引け後、今月下旬に予定されている債券と借入金の元利払いが困難な状況にあり、デフォルト(債務不履行)に陥る可能性があると発表した。同社は14日に株式取引を停止していたが、15日の現地時間午前9時に取引を再開した。
 
出典 DZHフィナンシャルリサーチ(2016/03/15)



そもそもなぜモンゴル経済がここまで落ち込んだのか?
  • 官僚の腐敗
  • 法制度の未熟
  • 資源依存
  • 中国依存が最悪の結果

個人的にはこう分析しています。
(1)不景気の原因の一つは官僚の腐敗です。高級レストランにつれて裏で金を渡せば大体勝負できる社会です。(2)そして、法制度の未熟さです。長期+安定的な法制度がないと外国から投資家の誘致はかなり難しいでしょう。例でいうと以前鉱山開発で莫大な資金を調達したものの、その後のライセンス返却の問題がおき、多くの外国人投資家が損失を出しています。 (3)モンゴルは資源のデパートと言われているほど鉱山資源大国です。しかし、近年の原材料価格の低下で結局のところ資源を上手く活かせることができなかったです。(4)最大の原因は中国依存が最悪の結果です。御存知の通りにモンゴルは輸入も輸出も中国がその半数以上を占めています。そのため「中国がくしゃみをするとモンゴルは風邪を引く」状態です。ようは、中国景気減速だったんです。


モンゴルが今後どうすれば景気回復に繋がるのか?
上記の四つの問題点を一つ一つクリアすればいいんです。官僚腐敗を防止するために監督制度を作る;先進国の法制度を取り入れる、変える;鉱山資源依存を脱出する、物作り、観光資源を活かす;脱中国依存、もっと日本やヨーロッパなどの国と関係を作る。

果たし、モンゴル経済の「桜」はいつ咲くのでしょう?



Сайн байна уу? Энэ жил маш хүйтэн.

今日、図書館で資料を探している中、たまたま東洋経済新報社の『海外進出企業総覧[国別編]』を見て、面白いと思っていろいろ調べてしまいました。

このデータですが、日本企業の上場・未上場のおよそ6,000社以上へアンケートを送って、回答を集計したものらしいです。アンケートの回収率は、毎年50%ぐらいと一定していて、だいたい参考値となるものと思われます。

アジアのフロンティア新興国(中国は補足)における日本企業の数値を以下にまとめてみました。

日本企業海外進出企業アジア新興国2015

2015年のモンゴルにある現地法人は以下となります。

・Azuma Shipping Mongolia LLC (東海運100%)
・Dai Nippon Mongolia LLC (大日本土木100%)
・Digital Center Co., Ltd (東京ソフト)
・Khan Bank (澤田ホールティングス40%、Tavan Bogd Trade 22%、International Finance Corp 9%、Developmenta Alternatives 2%)
・Mobicom Corp.(住友商事 33%、KDDI Overseas Holdings 30%、Newcom 36%)
・Suruga Mongol XXK(スルガコーポレーション100%)
・Tandem Global Logistics Mongolia LLC(東海運95%)
・TaniZam(NIPPO 70%、Bridge Construction 30%)
・Tenger Finicial Group LLC (オリックス16%)
・Transwest Mongolia (住友商事)
・Vuteq Mongolia Co.,Ltd (尼崎工作所20%、KTX20%、ビューテック20%、冨貴工業20%、山本製作所20%)
・ZAMine Service LLC (丸紅50%、Tavan Bogd Trade 50%)
(出典:東洋経済新報社『海外進出企業総覧[国別編]2015年度版』)
※以前はHasebe International(フラワーホテル)、GrapeCityが記載があったが、2015年度は無し(会社は現在でもちゃんと存在している)

モンゴル在住の方もしくはいたことがある方ですと、あれ、この中にあの企業が無いじゃないか、と思われる方も多々いると思います。INIJCB新潟クボタ(MJパートナーズ)Sankou Tech MongoliaShibasaki MongolSakura Construction、Daiei Probis Mongol、Tomio Holding(モンゴル事業)、今朝日本語学校その等々(諸事情により名前を出すなと言われた会社もあるので、ここまでに控えておきます)。大手もありますが、主に地方の新進気鋭な中堅、中小企業ががんばっております。

5割回答のアンケートによる統計なので、しょうがないのかもしれません。ということは、ミャンマー、ラオスも同じように見えないところで活躍されている会社が結構かるかも思われます。

しかし、結果を見ますと、どうしても成長が見込まれるミャンマー、カンボジアに比べてしまうと、モンゴル、もうちょっと頑張ってもいいんじゃないかと思います。特に2013年以降。

筆者がモンゴルにいるとき、モンゴル人から「日本企業は勇気が無い」「日本人は時間ばかりかけて結局来ない」「決定しない」といろいろ指摘を受けることがありました。

私から、厳しいことを言わせてもらうと、日本企業はかなりのコストをかけてリサーチをして、feasibility studyを行い、段取りを十分にしてから進出を決めます。決して、勇気が無いわけではありません。投資をして「ちゃんと」リターンが見込めるか否かを十分に時間をかけて検討しています。

その結果、ミャンマーやカンボジアの方が進出が盛んになっている、という結果が言えるかもしれません。

そこまで、私が強く言ってしまうのは、私が実際に現地で仕事をしていた時、モンゴルの地元企業や政府機関は「待ち」が多く、暇そうにしている様子だった印象的だったというのがあります。 自分から、頭を下げて営業をするというのは、やりたがらないのが明白でした。

DSC00686
モンゴル投資局の資料。2014年に手に入れた資料で古いですが、にコンサルタントの視点からすると、データなどがかなり粗く、説明もMECEに整理されておらず、根拠もあれで・・・。これで投資を呼び寄せるには、心もとない・・・。もっと投資を呼び寄せる工夫が大幅に必要だと思います。日本語など多言語に対応して、きめ細やかに、現地法人のやる気を伝えるような・・・。

この「待ち」の意識を変えないと、投資家を呼び寄せることはできません。ミャンマー、カンボジア、ラオス、インドネシア、ベトナムなど様々な選択肢の中に、後塵を拝してしまいます。

アジアだけでなく、中東も見ると、最近では、欧州諸国の中では経済制裁が解除されたイランと大型商談が成立し、日本企業をの進出を煽る雰囲気もあります。

イラン大統領イタリア訪問 2兆円超の経済協力へ
アングル:制裁解除で商機、イランがエアバス100機超購入へ

また、カタールでは、日本企業とカタール企業との間で投資における協力関係が強化されることを希望するというニュースがありました。
岸田外務大臣とアティーヤ・カタール国行政監督庁長官との会談

これらの国々とモンゴルは競争状態にある、という意識が大事だと思います。

もちろん、日本人・日本企業もモンゴルのことをあまりにも知らないことにも問題があります。まだ未だに「アジアのドバイになるか」なんて古い情報を言っている全国紙があったりして、驚くことがあります。 

現地で情報を手に入れるのはただではありません。しっかり、現地に行って、モンゴル語・日本語でコミュニケーションをとって、理解をとことんすることが大事だと思われます。 確認作業を常に怠らない事です。


▲モンゴルのウランバートルの渋滞の様子

毎度、編集長のタケシです。
モンゴル特集ではないが今夜22:55からNHKでモンゴルが放送されます。

司会
所ジョージ,久保田祐佳

放送日時
1月21午(木曜) 午後10時55分〜11時20分


日本で1万円で買える中古車、モンゴルではぼろもうけか?

実は、中古車ビジネスモンゴルで既に30年近い歴史があります。
今は車ビジネスよりも道を作る、車の修理、車の改造、美容をやった方が儲かります。
このネタを見て行動する人は成功するのに間違いない。新興国を注目しているならモンゴルはおすすめです。だけど、今は不動産に手を出さない方が賢いと思っています。とにかく、次の選挙までは大きなを行動をしない方が損はしないと言えるでしょう。

では、冬のモンゴルぜひみてください。



 

xijingpingroad
(2014年8月の習近平訪問時の北京ロードの工事現場)

Сайн байна уу? Ажилаа маш завгүй. やしまです。いま某コンサル会社で働いておりUp or OutでOutな感じなんですが、なんとか生きております。モンゴルから離れてからもう1年近く経ちますが、記事書いてみました。

ちょっと日が経ってしまったのですが、The Diplomatという、本社を東京・恵比寿に置く東アジア太平洋地域の政治・文化・等を報道するオンラインニュースマガジン社の記事でモンゴル記事を発見しました。

それは、"The Trouble With China-Mongolia Relations China and Mongolia are becoming closer politically and economically, but what do their citizens think?"(中国・モンゴル関係の問題 中国とモンゴルは政治・経済面でより近くなっているが、モンゴル国民はどう思っているか?)という記事でした。

記者はアメリカで学ぶ、中国系カナダ人の大学生だそうです。(プロの記者ではない)

ソースが英語のものや中国のものを集めているので、日本人の視点では見られないものがあり、中国人の視点でのモンゴルということで、発見がありました。「モンゴルが中国に属国化するかもしれないという恐れがある(might/seems)」というよりも、「モンゴルが中国に属国化する恐れがある(fear .... will)」と強く表現している点がとても気になりました。

あと、この記事ですがちゃんと現場に入って生の声を聞いた感じはしません。一般市民で反中国の感情はとても強いのは事実ですが、もうちょっと踏み込んで記事を書いて欲しかった感じはしました。

以下、 拙訳です。

 「中国・モンゴル関係の問題」
中国とモンゴルは政治・経済面でより近くなっているが、モンゴル国民はどう思っているか?


先週での、ツァヒャーギーン・エルベグドルジモンゴル国大統領の中国の三日間の訪問の最終日で表明された共同声明にて、中国・モンゴル関係は歴史上「最もよい状態」であると伝えられた。ここ数年で、中国とモンゴルの関係はより親密になっている。昨年、中国はモンゴルとの関係を単なる"戦略的パートナーシップ"から"包括的戦略的パートナーシップ"に引き上げて、安全保障から政治的協力を含める内容としている。

モンゴルが中国に依存していることは自明である。2015年の経済指標データによれば、モンゴルの輸出先の89%が中国であり、また輸入先の26%が中国である。中国経済の失速がモンゴル経済にかなり打撃を与えているため、モンゴル政府は官僚の雇用及び給与カット、郵便エネルギー分野等の国営セクターの売上シェアの見直しを検討しているぐらいである。「中国がくしゃみをすると、モンゴルは風邪をひく」と、独立法人モンゴル金属鉱山研究所のディレクター兼創立者であるデール・チョイ氏(Чойнхорын Эрдэнэдалай)は言っている。

もっとも明白な関係として、昨年モンゴル政府は中国・習近平国家主席の訪問に賛成する形で、ダライ・ラマ14世の訪問を中止した。(共同通信のソースはここ)この動きは、中国政府の圧力の結果であった。

しかし、モンゴルと中国のリーダーおよび実業家は肯定的な歩み寄りをしており、中国とモンゴルは互いに反感を持っておらず、一般的な国民の見方からするとかなり複雑な話となっている。

今年、モンゴルでは民主化25周年を記念したが 、モンゴル国が中国に売られてしまうかもしれない、さらに、モンゴルの独立性を尊重するという中国の宣言が何度もなされているものの、中国がモンゴル国の領土を最終的には引き取るという恐れがある。政治・軍の獲得よりもさらなる領土拡大が考えとしてある場合、中国は経済力を行使してモンゴルを飲み込む。

ブリティッシュ・コロンビア大学の博士候補であるメンデー・ジャルガルサェハン氏によると、モンゴルの反中国感情は、モンゴルがソ連の影響下にあった時の、中ソ対立(Sino-Soviet tensions)時代の間に形成された否定的なスキームから由来するものであるとされている。中国とモンゴルの公式な関係を改善しようとしているものの、モンゴルのブロガー界隈、報道等では反中国感情が流布し続けており、官僚筋の中で反中国感情の残滓を取り除くことに対して積極的でないことが一因としてあげられる。ジャルガルサェハンは、「モンゴルの中国に対する態度は、政治的パワーの不均衡、中国の経済活動への反動、アイデンティティ問題の衝突を原因とした『グローバルな反中感情』の一部である」であると論じている。

ケンブリッジ大学の研究員であるフランク・ビル氏の新刊である『反中:不安、暴力、モンゴル人のアイデンティティの形成(Sinophobia: Anxiety, Violence, and the Making of Mongolian Identity)』によると、「反中感情は、アジアと距離を置き、かつモンゴル人のアジア的要素を拒否するするための本質的な願望をあらわしたものである」と説明している。

現在のウランバートルのでも反中国感情の痕跡を見つけ出すことは難しいことでない。首都圏に中国人を駆逐することを掲げている落書き、毒の入った中国製品が蔓延っているという都市伝説が被害妄想を引き起こしていたり、モンゴル人の血の純血化を維持しづつけ中国人男性と親密になったモンゴル人女性を激しく非難する社会規範を強制する主張がある。
 
Geeというモンゴル人ラッパーは首都圏で人気が出ているが、反中国の中傷やモンゴルの国民のアイデンティティのために立ち上がるための呼びかけを特長としたラップを歌っている。ネオナチグループであるツァガーン・ハス(Цагаан Хас:「白い卍」)やダヤル・モンゴル(汎モンゴル)などは標的を中国人に置いており、今年でも活動を行っている。

「悪名高い」とも言われているGeeの動画↓


 偏見の大部分が年配者のモンゴル国民に集中しており、過激派グループのように日常生活で言及されることはないものの、エルベグドルジ大統領がいう「中国はモンゴル国民のサポートを享受する」という主張は支持されないのは明白である。

中国はモンゴルのスタンスに対してははっきりとした態度を見せていない。「モンゴル人は中国をどう見ているか?」(中国語)、「モンゴル人はなぜ中国を激しく嫌っているか?」(中国語)という質問は中国ブログ界隈で取り上げられており、ネティズンから中国の悪化した関係の批判的な意見が激化している。しかし、相対的にはモンゴルの地理的な吸引力や歴史的な立場は弱いため、中国での反モンゴル感情はほんの一部の地域でしか言われていない。

しかし、確立した必然的な疑いがない、とは言えない。今年の7月に、中国警察は、プロパガンダとみなされるチンギスハーンに関するドキュメンタリーを視聴していたため、内モンゴル自治区で20人の外国人を逮捕したと報じられた。

歴史的に緊張関係に陥っているものの、ハイレベルでの良好化する関係が一般国民にも浸透するには時間がかかる。そして、そこには希望に欠けているということはない。毎年数百人のモンゴル人が中国へ留学に行っており、中国・モンゴルで人的交流が高まっており、若い世代は先人の歴史的なトラップを回避してバランスを保っているように見える。


〜総括〜
実際、モンゴルとの中国関係ですが、他の地域ってどう思っているのか?。ある小売店を継いでいるタメのモンゴル人の隣国関係について聞いてみました。

「あるタメのモンゴル人の意見」
(1)内モンゴル:Ямаа цахар(ヤギ)である:モンゴル人はYesをТэмээ(らくだ)、NoをЯмаа цахар(ヤギ)と表現することがある。内モンゴル人は自分の意見を持っており、その選択をした。
(2)カザフ:бүргэд(鷹)である:獰猛というイメージがある。トゥルク系とイスラムが合わさっている。
(3)ブリヤート:бүргэд(鷹)である:獰猛であり、遊牧民の生活を維持せず、木でできた家に住むようになってしまった人々。
(4)朝鮮(ソロンゴス):бар(虎)である:かつては敬意を払っていたが、しかし、最近のモンゴルでの女性の扱い(カラオケ店など)などが眼に余るところはある
(5)中国:Урт(龍)である:言わずもがな、全くいい感情はない。
(6)台湾:かつて、中華民国時代にモンゴルの独立を認めなかった背景があるため、いい感情は持っていない。
(7)日本:よくわからん、ファンタジーワールド(Hobbits)。(昔はハルハ川戦争があり反日感情はあった)


筆者は実際、 昨年の8月の習近平の訪問について、一般モンゴル人の意見を聞いたのですが、あんまり否定的な見方をしている人が意外に少ない気がして、ちょっと驚きました。反中国の動きはそんなになかったです。むしろ、いい土産を持ってきてくれた(人民元スワップなど)ということで、肯定的でした。

筆者がいた2014年末時点ではモンゴルの景気は本当に悪かったと記憶しています。実際私はそのときモンゴルで一件一件マイナス30度の中、飛び込み営業をしていたのですが、モンゴルの大手資源会社などなど行ってみるとその様子の閑散としているのに、ちょっと違和感を感じました。なんか、みなさんとても暇そうなんです。そして、それらの会社も給料が数ヶ月間支払われてないという話しを実際に働いている人から聞きました。

そして、1年経って2015年なのですが、いまでも景気が悪いという話は聞きます。今年は、大気汚染が去年よりはひどいとのことです。なぜか?ゲル地区で古タイヤを燃やすのが増えているとのことです。古タイヤを燃やすのが増えるほど、生活が苦しくなっているとのことです。

このような苦しい中で、モンゴル経済がどう立ち直るか?いまですと、景気悪化に伴い韓国への出稼ぎが増えているとのことです

やはり、苦しいのは一般的な庶民層ということになります。旧社会主義国の中では、ソ連崩壊後の急速な資本主義化に苦しんでいるのはまだ続いているかと思われます。

反中国感情は、実はモンゴルだけでなく中華人民共和国の内モンゴル自治区でも見ました。中国で携帯電話を使いので、China Mobileなりプリペイドでもなんでもいいので使えないか?とエレンホトのうちモンゴル人のおじさんに聞いたら、"Хужааны гар утсыг авч чадахгүй. Хэцүү байна."と言って、驚きました。Хужаа(ホジャー)という単語です。ホジャーとは・・・・いい意味でない中国を表すモンゴル語です。彼らの根底にある感情がわかった気がしました。

外交的には第三国である日本との関係を良くするか?中国とリスクと向き合いながら関係を築いているか?いま、モンゴルは来年の選挙で忙しくなると思われますが、タイミングで決断が迫られていると思います。

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