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カテゴリ: モンゴルに関する本

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旅行記や紀行文とは違い、著者ならではのモンゴルの歴史や文化、宗教などの知識を交えたモンゴル関連本です。



司馬遼太郎さんのモンゴル好きは有名ですが、ツェベクマさんという一人の女性の人生を通して、所々に散りばめられたモンゴルについての洞察が勉強にもなります。

モンゴル人の馬に対する扱い方、考え方や寺院建築、騎馬遊牧民族「匈奴」について、ソ連や中国との関係性、内モンゴルの問題などについても触れられています。
 

特に印象に残ったのは、辛亥革命後に独立を宣言したモンゴル人が「社会主義を選んだのはマルクスのいう歴史の発展ではなく、ただ漢人から草原を守りたかっただけだった」という記述の部分でした。


ロシアと中国に挟まれ時勢の流れのなかで、木屑のようにもまれたモンゴルの苦悩が伺える一節だと感じました。



また、著者のモンゴル愛も伝わってくる一冊です。


「空と草だけでできあがっている。その暮らしは天に棲んでいるとしか思えない。」

「モンゴル人は匈奴の昔から今に至るまで、天を崇拝する」

「この大高原にあっては一望の草のはらで、空には雲があるだけである」


などの表現が、モンゴル高原の大草原と空の情景が目に浮かぶようでした。



小冊子なので本も軽くモンゴル旅行へのお供としてもモンゴルに関わる情報を勉強したい方にもおすすめの 一冊だと感じました。



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スキタイは、名前の知られている騎馬遊牧民としては最も古い存在の一つで、カフカスと黒海北方の草原地帯にあらわれた。

一方、モンゴル帝国の原型とも言われる匈奴は、東アジアにあらわれ、当時の中国の漢に匹敵するほどの存在であった。

このスキタイと匈奴というユーラシア大陸草原部に出現した騎馬遊牧民の歴史が本書には分かりやすく書かれています。


スキタイや匈奴などの騎馬遊牧民は文字を持たなかったため、自らの歴史を記録することがなく、暮らしぶりや習俗は名文家に書き留められることになった。

スキタイの住む黒海北岸へ旅を続けたヘロドトスと漢にいた司馬遷である。


ヘロドトスと司馬遷が語るスキタイと匈奴の風俗習慣は驚くほど似ていて、スキタイと匈奴が似ているのは偶然ではなく、ユーラシアの自然環境が彼らの登場する条件の整っていたことがよくわかる。

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スキタイや匈奴は国家を持たず、文字も持たない自然界に直結した極めて柔軟な流動性のある習俗、生活をしていたが、素晴らしい金細工の装飾品を残している。


現在、ロシアのエルミタージュ美術館の展示室には、スキタイの動物文様で装飾された工芸品が展示され、好評を博している。


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また、農耕社会と遊牧社会を対比して記載されていることも興味深い。


例えば、農耕社会で使用している衣類の素材は遊牧社会では通用しない。とか、家畜の役割。など、遊牧民の自然環境に合わせた人間の知恵やたくましさといったものも本書を通して見えてきます。

家畜の役割として、羊、ヤギは食肉を確保するためだけでなく毛皮は防寒着として役に立ち、乳からはチーズやバターなどの様々な乳製品を作り出すことが出来る。
また、羊肉は全くの生肉で食べられることも遊牧生活に向いている。

これらのことから、遊牧は最も環境にやさしい生活様式であるとも言える。といった
ような遊牧民の生活についても記載されています。



「スキタイと匈奴 遊牧の文明」は専門的な書ではなく、一般読者向けに親切な文章で書かれているため読みやすく、本が苦手という人にも興味を持って騎馬遊牧民を理解してもらえるのではないかと思います。


スキタイと匈奴という歴史にも有名な騎馬遊牧民を通して、広大なユーラシアの大草原で生きていく知恵や強さとともに、定住者とは異なった人生哲学を持っていた騎馬遊牧民の足跡を辿るのにもおすすめの一冊だと感じました。



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毎度、編集長のタケシです。
今年も残すところ後わずかとなりました。

モンゴルなう!編集室、毎年恒例のブログを経由で買っていただいた本ベスト5を紹介します。知り合いにも結構、記事を読んで買ってくれた人何人かいました。本当にありがたく思います。

いい服を見つける、いい本に出会える。
どちらもきっかげが大事だと思います。そのきっかげになっていく、ささやかな力になる存在、そういう役割を果たすサイト運営を心かけています。

「モンゴルなう」2016年度売られた本ベスト5



ゼロから話せるモンゴル語
温品 廉三
三修社
2006-04-01




世界を創った男 チンギス・ハン 1
堺屋 太一
日本経済新聞社出版局
2007-07-31



 

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