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フジテレビは9月18日の番組で、「モンゴル行ってみたらこんなトコ/お母さんのおっぱいは皆のものだった」と、母乳を夫や客である日本人ディレクターに飲ませるシーンが報道されました。(『世界行ってみたらホントはこんなトコだった!? 』「672時間滞在でわかった これがホント!?のモンゴル」

この件についてモンゴルなう!で紹介したところ、たくさんのモンゴル人の皆様からコメントが寄せられました。

もっとも多かったコメントは、モンゴル人でも見たことがない、聞いたことがないというものでした。

特に、内モンゴルのモンゴル人の皆様は、全員がありえないとコメントされました。
次に、話には聞いたことがあるが、体験したり見たりしたことはないというコメントがありました。

つまり、モンゴル人なら誰でも経験しているわけでは、決してありません。

一方で、授乳後に余った母乳を他人に与える例が「ある」というコメントをくださいましたモンゴル人の方も、夫や客など誰にでもあげるものではないとコメントされました。授乳中の女性は神聖な存在で、余った母乳も手洗いや流しに捨てることを高齢者は嫌うとのことでした。
他にも、幼児の目薬として母乳を点眼する、肝臓など体に良いから飲むという、民間医療的な話もコメントで寄せられましたが、いずれも伝聞の域を出ないものでした。

また、日本はモンゴル研究が民族学・人類学・歴史学などで特に盛んな国ですが、モンゴル人が乳児以外の他人の大人に母乳をふるまうという報告は、寡聞にして聞きません。

結論として、フジテレビの番組で紹介された母乳のシーンは、あくまで番組上の演出でしかないということがわかります。

ウルジさん(モンゴル国商工会議所 日本会頭)の解説も、映像をよく見るとコメントが編集されており、もしかすると上記のような話の大部分が、カットされてしまったのかも知れません。

モンゴル人の皆様が最も心配をされているのは、フジテレビによる偏向報道です。

日本人がモンゴル人に偏見を抱き、モンゴル人が日本を嫌いになるような内容だという声が、多数寄せられています。

たとえば母乳の他にも、鉄道の毛布とシーツの配布や、ウランバートルのザイサンの丘での記念撮影などで、サービスと見せかけてお金を取るかのように報道されていました。私は現地でどちらも経験がありますが、いずれも、最初から有料であるとお話されました。「モンゴル人はあんな形でお金を取ったりしない!」というコメントもいただきました。

今回のフジテレビの番組は、番組上の演出という範囲を超えた極度な偏向があり、モンゴル人とモンゴルを愛する日本人の両方を不快にする内容であったことを、ここに抗議の意思をもって記事掲載いたします。

2011年9月26日
みずばしょう