モンゴルの夏は、アイラグの夏です!!

アイラグとは馬乳酒のことで、内モンゴルではチゲー、ツェゲーと呼びます。モンゴルの夏の「白いごちそう」(乳製品)の代表格です。馬乳酒といってもアルコール度数は非常に弱く、1%〜3%程度です。

ところがこのアイラグ、モンゴル観光業界では悲しいかな、下痢を起こすキワモノ的な飲み物として、敬遠される場合が多々あります。これではいけない!ということで、正しいアイラグの選びの極意をお伝えします。

極意その1 都会や町でアイラグを買わないこと!
ウランバートル市内などの都会や町では、アイラグを売っている露天や店舗が見られます。しかし、町で販売されているアイラグは発酵がすすみすぎているために不味く、下痢もしやすいという落とし穴があります。
アイラグは発酵を止めていませんので、どんどん発酵し、炭酸ガスが出ているのが目で見ても分かります。ちなみに、ミネラルウォーターのペットボトルにアイラグを入れたまま常温放置しておくと、爆発します。


極意その2 モンゴル人に教えてもらう!
美味しいアイラグを売っている場所を、添乗員さんやお友達のモンゴル人に教えてもらうのがベストです。アイラグは味見をしてから買うことができますから、彼らが「これはいいアイラグだよ!」とすすめてくれるアイラグを買うのがベストです。


極意その3 美味しいアイラグはここにある!
私が美味しいアイラグにありつけた場所は、2箇所あります。
一箇所目は、アイラグをウランバートルで売るために近郊にやってきた遊牧民の皆さんです。

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何家族かでウマの群れを連れてやってきていますので、ペットボトルなどの容器をもって、いざ出陣!

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ウマのミルクを搾乳しています。仔馬さんちょっと待っててね。
搾乳したミルクに乳酸菌を加え、数千回丁寧に攪拌することで、アイラグはできます。
アイラグは朝ができたての場合もありますが、昼や夕方にあわせて作っている家庭もいます。
遊牧民の皆さんとの交流も楽しめて、とっても素敵な思い出になりますよ。

もう一箇所は、ナーダムの会場の屋台です。
ナーダムの会場最大の名物はホーショールという、小麦粉の皮で羊肉を薄く平たく包んで揚げた料理ですが、何店かはアイラグを扱っています。味の良いアイラグを、モンゴル人の協力者に探してもらいましょう。

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夫婦仲むつまじく、まさにできたてのアイラグを販売していました!ここに決定!


極意その4 アイラグの味わい方
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良いアイラグはかすかに透明感のある美しい純白で、いやな匂いはまったくありません。爽やかな酸味とえもいわれぬ甘みが口いっぱいに広がり、ウマのミルクの優しい香りがします。(発酵がすすむと、炭酸ガスの微発泡がすすみ、強烈な酸味や臭気を有するようになります。)

美味しいアイラグを飲むと、「ああ、夏のモンゴルに来た!」という幸せな気持ちでいっぱいになります。しかし、はじめての方は、お椀一杯すべて飲み干さないことを、おすすめします。

アイラグは乳糖発酵の飲み物のため、乳糖が腸内で活発に分解します。その時に生じる炭酸ガスによって健康な腸内洗浄がおこり、腸内の老廃物をガスと一緒に体外に排出してくれます。つまりアイラグは、モンゴルが世界に誇るデトックス飲料なのです。
しかし健康に良いとは言え、次の日にトイレから出られなくなるほど腸に大活躍してもらうのは困り者ですし、何より、日本人が普段飲み慣れないウマの乳が原料なため、女性は一口か二口、男性は三口か四口を目安に楽しまれることをおすすめします。


極意その4 シミン・アリヒに出会えたら最高!
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シミン・アリヒは、一言でいえばアイラグを蒸留して作る、度数20度程度のお酒です。ウマの乳の他に、サルラグ(ヤク)の乳で作るときもあります。地方によって異なりますが、写真のような蒸留・冷却器がある遊牧民の家庭で作っています。
シミン・アリヒは透明で、華やぐような香りと端麗な甘みが特徴です。日本酒や焼酎が好きな方にはたまらない逸品。こちらも時間が経過すると味が変化するので、ぜひ出来立てをいただいちゃいましょう。

モンゴルの夏の美味しいアイラグの味を知ったら、モンゴルを100倍好きになりますよ!!

2011年7月30日
みずばしょう