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【写真 曠乾咼▲襯織じバヤントーロイのトーロイの木


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【写真◆曠泪供璽薀い肇函璽蹈い寮攫

 

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【写真】シャルフス山ろくは保護区内で最も植物に勢いがある。トーロイの木も多い

 

 モンゴル人の多くは、ゴビ砂漠のクマ「マザーライを知っている。しかし、トーロイの木を知っている人は少ない。マザーライはトーロイの木がある所にいる。両者は密接な関係にある。マザーライに関心を持つならば、トーロイの木にも注目してほしいと私は思う。

 トーロイ(学名populus diversifolia)は、マザーライ(学名ursus arctos gobiensis)とともにモンゴルの切手になっている。マザーライが生息する大ゴビ特別自然保護区の管理事務所はゴビアルタイ県のバヤントーロイにある。町の名前は「豊富なトーロイ」という意味だ。実際、トーロイの大木がある。

バヤントーロイは、「エイジハイルハン(お母さん山)」という山の近くにある。モンゴル人の多くは、このエイジハイルハンを知っている。それならば、なおのこと、バヤントーロイの地名の由来となるトーロイについても関心を持ってほしい。

 トーロイの学名でネット検索すると、日本語では「コトカケヤナギ」、漢字では胡楊書く植物のようだ。ただしコトカケヤナギの学名はpopuluseuphraticaとなっている。

 コトカケヤナギまたは胡楊の説明文を読むと「シルクロードを代表する樹木」とある。中国から中央アジアにかけて見られることが書いてある。しかし、モンゴルのことは、ほとんど出てこない。日本の学者は、モンゴルのトーロイの木を知らないのではないかと思ってしまう。それとも、トーロイの木は、コトカケヤナギや胡楊とは別物なのか。

 ウランバートルの自然史博物館には、マザーライのはく製が展示してある。世界でここしかないはく製だ。はく製のそばに、灌木ザグと薬草バチューンの模型も展示している。しかし、トーロイの木がない。高さ十数メートルにもなる樹木なので模型の展示は無理かもしれない。それならば、せめて写真ぐらいは飾ってほしい。

 私は、2011年と2012年の2回、自然史博物館に行き、トーロイのことを調べようと思ったが、資料がなくてがっかりした思い出がある。今はどうなっているか

 トーロイの木はとても珍しいと思う。マザーライ調査のため、ウランバートルを車で出発し、バヤントーロイの町まで2日がかりだった道中、樹木らしい樹木は目にしなかった。ウブルハンガイの県都アルバイヘールに立ち寄ったら、市内に街路樹はあったが、接続する国道わきに木はなかった。

 それだけに、バヤントーロイに着いてトーロイの大木を見たのは、ちょっとした驚きだった。バヤントーロイを出発し、車で特別自然保護区を廻、トーロイの木に出会ったのは感動ものだった一見何もない砂漠の中を走り、岩山を周ると突然、大木が現れたりした。うわあ、なんで、こんなところにるんだろう。そう思った。

バロントーロイ、シャルフス、ツァガーンボルスなどの水場にトーロイの木があった。堂々とした大木に見えた。いずれもマザーライが出没する場所ということで、管理事務所が給餌場を設けていた。マザーライとトーロイは、ワンセットでとらえる必要があると思う。

(マザーライについて詳しくは拙著「あんだいつまでも新モンゴル高校と日本」第5章「ゴビ砂漠のクマ」をご覧ください)

▽森修 もり・しゅう


1950年、仙台市生まれ。元河北新報記者。1998年、山形市で勤務していたとき、たまたま入ったバーでアルバイトしていたモンゴル人の留学生と出会う。以来、モンゴルの魅力に取りつかれ、2005年「モンゴルの日本式高校」、2012年「あんだいつまでも新モンゴル高校と日本」をそれぞれ自費出版。