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「馬の世界史」は、内容がかなり充実していて、馬を通して様々な歴史が学べる歴史本と言えます。


以下、目次の中のモンゴル関連箇所


第3章 ユーラシアの騎馬遊牧民と世界帝国
第8章 モンゴル帝国とユーラシアの動揺

など..

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第3章のモンゴル帝国の最大領域を見ると、改めて大帝国だと認識することができます。

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モンゴル帝国を同一緯度でヨーロッパに移した比較も面白く、スペイン以外の殆どを覆っていることがわかります。


本の中からモンゴル関連の箇所と思われる部分を抜粋します。


引用・・・

前1000年紀半ばを過ぎる頃には、騎馬遊牧民が歴史の舞台にくっきりと姿を現し、これらの遊牧民は様々な集団をなしたが、おおまかには、モンゴル系、トルコ系、イラン系の3つの人種にまとめることができる。


これらの遊牧民の集団が乱立するなかでも目立っていたのが、モンゴル高原の匈奴、東トルキスタンの月氏、西トルキスタンのサカなどである。


スキタイは地中海世界に隣接し、匈奴は中国に隣接するため、騎馬遊牧民の風俗習慣は中央アジア一帯に広くわたる。これほど広範囲に出現する騎馬遊牧民はいったいどこで成立したのか。
従来は、ユーラシア西方に起源すると考えられていたが、近年、考古学上、東方よりのものが古い傾向にあると見なされている。

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また、モンゴル馬についても詳しく記述されています。


引用・・・

騎馬遊牧民の馬は、しばしば小さいと言われる。
遊牧民は遠征に際しても、馬の飼料をもっていかないから、どこにでもはえる青草ばかりか枯草すらも食べる小型の馬が適している。



現代でもモンゴル馬は小さいし、見栄えもしない。頭が大きく、首も太く、全体に毛むくじゃらで、眼も小さい。そのうえ、身体に比べて脚も太いから、ずんぐりとしてスマートさに欠ける。アラブ馬やサラブレッドと並べれば、およそ速く走るようには見えない。しかし、それは遊牧生活や軍事活動に、モンゴル馬のような小さくても粗食で忍耐強い馬が適していたからである。

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そして、人口などの劇的な社会変化についても記載されています。



この他にも、最古の騎馬遊牧民キンメリア人やスキタイ族遊牧民「マッサダイ」の王墓「パジリク古墳群」などの馬に関する様々な歴史が記載されています。




「馬の世界史」は、馬を通して秦始皇帝兵馬凌やギリシャ戦車、ローマ軍と騎兵隊、モンゴル騎馬遊牧民など、多岐に渡る歴史を学ぶことが出来ます。



モンゴル好きな方にも、歴史好きな人にも、競馬が好きな馬好きな人にもおすすめの一冊だと思いました。uma


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