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小説「チンギスの陵墓」は、「マギの聖骨」や「ユダの覚醒」などで有名なジェームズロリンズの歴史的事実に基づいたフィクションの小説です。


シグマフォースシリーズとして人気があり、ファンの方も多い作品です。


歴史上、世界最大の帝国を作ったモンゴル帝国のチンギスハンの遺体はもとより、陵墓も見つかっていません。
現在、ヘンティー山脈周辺は外国人はもちろん、自国の人でも立ち入れない「立ち入り禁止区域」となっています。

チンギスの陵墓は、このロマンと科学などのフィクションを混ぜ合わせたアクションアドベンチャーになっています。


ネタばれになるのであまり詳しいことは記載できませんが、上巻は前半ではマカオや九龍半島の描写が多く、後半になるとチンギスハンの墓だけでなく、他の歴史事実とも話しが絡まり面白くなってきます。

下巻で主にモンゴル周辺を舞台として進んでいきます。


舞台が適度な長さで展開されるので、飽きずにテンポよく読めます。

ただ、多少現実離れしているので、あくまでフィクションとして楽しむと良いかなと思いました。

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「歴史的事実」として記載されている情報の中から、モンゴル関連の箇所を一部抜粋します。


ちょっと多くなってしまいましたが、引用・・・

チンギスは先進的な考えの持ち主でもあった。

彼の帝国は初めて国際的な郵便制度を確立し、外交特権という概念を取り入れ、政治の場に女性を登用した。

だが、それよりも重要なのは、モンゴルがそれまでに類を見ないほど宗教に対して寛容だったことだ。
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隠されている財宝の規模といったら、エジプトのツタンカーメンですら足もとにも及ばないだろう。

中国、インド、ペルシア、ロシアなどを征服して手に入れたおびただしい数の戦利品がモンゴルに運びこまれたが、いまだに見つかっていない。
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ソヴィエト連邦の影響下にあった数十年間は、チンギスの名を口にすることさえも禁じられていた。

ヘンティー山脈に通じる道をソ連軍の戦車がふさいでいたため、偉大なるハンの生誕地を訪れたりあがめたりすることすらできなかった。
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ハヤブサの飼育の歴史は、チンギスハンの時代までさかのぼります。
戦士たちはハヤブサを使ってキツネ狩りをしていました。
時にはオオカミも狩りの対象だったらしいですよ。人間を狩ることもありました。
事実、チンギスの専属ボディガードはハヤブサ使いだったんです。
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陵墓の所在地ではないかとして本書に登場するブルカン・カルドゥンは、2015
年にユネスコの世界文化遺産に登録されている。


小説の冒頭やあとがきを見て、著者は「フン族のアッティラがローマを滅ぼす寸前まで行きながら、法王レオ10世との面会で直前になってとりやめた。その理由」など、歴史的事実としてありながら語られてこなかった、ほころびの部分に魅力を感じているのではないかと感じました。



「チンギスの陵墓」は、チンギスハンの墓というロマンを絡めた小説となっていて、モンゴル好きな方も歴史ロマン好きな方にもおすすめの1冊だと感じました。