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映画「モンゴル」は、チンギス・ハーンの半生を壮大なスケールで描いた歴史大作です。


ところどころに映る風景(草原と馬)や山脈などが、モンゴルの美しさを感じられる映画でした。テムジンとボルテが馬で逃げる草原のシーンは疾走感があります。



浅野忠信さんが主演のため、ジャケットを見ると日本映画のように感じてしまいますが、カザフスタン、ロシア、ドイツ、モンゴルの4か国による合作映画です。



脚本・監督は、「コーカサスの虜」「ベアーズ・キス」のセルゲイ・ボドロフ氏で、出演者も日本人は浅野さんのみとなります。


チンギスハンの人生の物語性を期待している人には、物足りなく感じることがあるかもしれませんが、馬頭琴が奏でる世界観と西夏王国(タングート)の寺院に幽閉されていた10年があったというチンギスハンの歴史の目立たない部分などがクローズアップされています。


冒頭のシーンにも出てきますが、監督は1192年西夏王国(タングート)に幽閉されていた10年間を中心に描きたかったそうです。


評価や感想では淡々と進んで物足りないという意見も見られますが、この幽閉された10年間をメインに扱っているからかもしれません。

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また、メイキングを見ると、新疆ウイグルに西夏(タングート)タウンを建設して撮影した壮大さがみえてきます。


ロシア、ドイツ、カザフスタン、モンゴル、アメリカ、フランス、オランダ、オーストラリア、中国、韓国、香港と世界各地からスタッフが集まって制作された映画だそうです。


西夏王国(タングート)と言えば、「砂に消えた王国」と言われることもあるチベット系タングート族の国家で、1038年李元昊により建国されました。


1227年にチンギスハンによって滅ぼされますが、現在の内モンゴルに位置し、河西回廊、敦煌までを支配していた謎が多いながらも文化的に繁栄していた王国です。


井上靖著で、映画化もされた「敦煌」にも登場します。



この映画「敦煌」を子供の頃に見て、壮大さや秘境に感動したのを覚えています。

こういった記憶や観てきたもの、知識がある人とない人では、同じ映画や同じシーンを観ていても映画の評価が変わってくるのだろうなぁ〜と感じました。



チンギスハンとしてのイメージにしてはどうしても線が細く、やさしすぎる感じがしますが、映画は監督のセンスや撮り方によって世界観が違うもので良いと思うので、これはこれで世界観の表現されている作品と言えるのではないかと感じました。



どう見るかで捉え方も変わってくる映画と言えるのではないでしょうか。