毎度、編集長のタケシです。
新書発売のお知らせです。
「スーホの白い馬」の真実 モンゴル・中国・日本それぞれの姿
著者は内モンゴル出身のミンガド・ボラグ氏。
目次
まえがき
●第一部 日本における「スーホの白い馬」の受容
第一章 「スーホの白い馬」の始原を探る
1 「スーホの白い馬」の原典は何か
2 「スーホの白い馬」の出典
3 絵本『スーホの白い馬』の初版年
4 中国語版「馬頭琴」と「スーホの白い馬」の相違点
5 「スーホの白い馬」の教科書版と絵本版の表現の違い
6 「スーホの白い馬」における大塚勇三の役割
7 「スーホの白い馬」における赤羽末吉の役割
第二章 日本人のモンゴル草原への憧れの産物としての「スーホの白い馬」
1 チンギス・ハーン廟の壁画の制作に関わった赤羽末吉
2 チンギス・ハーン廟を巡る日本人とモンゴル人の駆け引き
3 「スーホの白い馬」ゆかりの地である貝子廟
4 絵本『スーホの白い馬』にみられる貝子廟地域
5 絵本『スーホの白い馬』にみられる赤峰地域
6 赤羽末吉の絵に関する二、三の考察
7 モンゴル草原を巡る大日本帝国
8 「スーホの白い馬」ゆかりの地で行われたソ連兵による虐殺
9 ソ連兵の虐殺を目撃した九才の子ども
10 モンゴル人の回想に登場する日本人の絵描きは赤羽末吉だった?
●第二部 中国による「スーホの白い馬」の改編
第三章 「階級闘争」にすりかえられた中国語版「馬頭琴」
1 「馬頭琴」のオリジナル話について
2 モンゴル国で語られている馬頭琴起源伝説「フフー・ナムジル」
3 白い馬は射殺されたのではない
4 「馬頭琴」にみられる不自然な点
5 「馬頭琴」が創作された理由
6 モンゴルの民間説話にみられる階層対立の代表作
7 『バルガンサンの物語──殿様をからかった』
8 スーホは殿様を憎んでいなかった
9 「階級闘争」の狙いは何だったのか
10 創作文学としての「馬頭琴」に秘められた「スーホ」という名前の象徴性
11 創作文学としての「馬頭琴」に隠された隠喩
第四章 共産党政権や市場経済下における内モンゴルの文芸作品
──中国語版「馬頭琴」と対比して
1 階級闘争のプロパガンダに変身したモンゴル民話「アルマスの歌」
2 「アルマスの歌」のもととなったモンゴル民話
3 共産党の「賛歌」に変身したモンゴル民謡
4 「賛歌」のもととなったモンゴル民謡
5 「資源」として利用されたモンゴル文化「狼圖騰」
6 モンゴル人が釈然としない文化資源「狼圖騰」
●第三部 「スーホの白い馬」に垣間みるモンゴル文化
第五章 民族楽器としての馬頭琴の「誕生物語」
1 「馬頭琴」という名前は日本人が命名した?
2 「馬頭琴」は日本人が命名した説を巡る論争
3 モリン・ホール(馬頭琴)は総称である
4 馬頭琴の度重なる改良やその歴史的背景
5 そもそも馬頭琴はシャーマンの道具だった?
6 馬頭琴はスーホではなく、ボルラダイフーによって作られた?
第六章 「スーホの白い馬」にみられる文化的教育論
1 白い馬は単なる家畜ではない
2 白い馬はコンパニオン・アニマルではない
3 白い馬は「フゥールヒ・アミタン」である
4 「スーホの白い馬」にみられる「お仕置き論」
5 家畜は子どもにとって「反面教師」でもある
6 白い馬の死から学ぶ「いのちの教育」
●第四部 「スーホの白い馬」の故郷はいま
第七章 「スーホの白い馬」の故郷から黄砂の発祥地として知られた「モンゴル」
1 「スーホの白い馬」は中国の話なのか
2 なぜ「スーホの白い馬」は「中国の北の方、モンゴルには……」と始まるのか
3 「スーホの白い馬」の故郷から黄砂の発祥地として知られた「モンゴル」
4 黄砂を引き起こした犯人だとされた「白い馬」たち
5 黄砂を起こした「真犯人」
6 草原に砂漠がないと家畜が困る
7 モンゴル草原では家畜の糞も資源である
8 黄砂は「白い馬」のせいで起きているんじゃない
まとめとして
あとがき
今更、「スーホの白い馬」とはなんだっけと思う方はらこちらへ。
コメント