Сайн байна уу? Сайхан цагаан сар байсан уу?

2月24日(火)に、 「安倍総理は、総理大臣官邸でモンゴル国のザンダーフー・エンフボルド国家大会議議長による表敬を受けました」というニュースを目にしました。
外務省のページによると、以下2点の概要だそうです(太字は筆者加工)。
1 安倍総理大臣から,エンフボルド議長の訪日を歓迎し,まさに43年前の今日,外交関係を樹立した両国の関係が発展していることは喜ばしい,先般署名した経済連携協定(EPA)の早期発効を目指し,このEPAを契機に,両国関係を一層発展させたい旨述べました。また,今回の議長の訪日は,両国の議会間交流の更なる活性化の契機として有意義である旨述べました。

2 エンフボルド国家大会議議長からは,今次訪日に当たっての衆議院を始めとする日本側の歓待に謝意を表するとともに,先般署名したEPAについて,2月17日に議会での承認手続きを了した旨説明し,EPAにより,日本との貿易,日本からの投資が拡大することに期待している旨述べました

(出典:外務省 「日・モンゴル経済連携協定交渉の大筋合意及び日本国とモンゴル国の間の貿易・投資の促進に関する共同声明」

 
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(出典:首相官邸 http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201502/24mongolia_gicho_hyoukei.html より)
※動画もあります:ここ


2月10日には、サイハンビレグ首相が来日されて、
その時の概要は以下です:
1. 我々は、自由・民主、平和及び助け合いの精神こそが、日本国とモンゴル国の良好な関係の礎、価値観となっていることを改めて確認するとともに、両国の発展及び両国間の国民の交流を更に深めていく上で、この協定が重要な意義を有することを強調した。また、この協定が、経済分野における協力を通じて両国間の「戦略的パートナーシップ」を強化していく上で、大きく貢献することになるとの認識で一致した。
2. 我々は、この協定が、両国間の投資、サービス及び物品の流れ、更に両国の国民の相互交流を増加させ、両国間の個人及び民間企業によるビジネスの拡大や投資の新たな可能性をもたらし、それによって、相互補完性を有する両国の経済関係を新たな段階に引き上げるものとなるとの認識で一致した。
3. 我々は、モンゴル国にとって初めての経済連携協定となるこの協定が、物品及びサービスの貿易、投資、貿易円滑化、知的財産、競争、ビジネス環境の整備等の幅広い分野を対象とし、高い水準の協定となったことを強調した。
我々は、両国間での経済分野における協力を一層活性化させることの重要性を強調するとともに、この協定に係る協力の分野をこの共同声明の別添に記載した。
我々は、この協定が、両国が地域及び国際場裡での経済分野における協力を深め、更に、モンゴル国が世界の経済統合の流れと結び付いていく上で重要な意義を有するとの認識で一致した。
4. 我々は、この協定を可能な限り早期に発効させるために必要なそれぞれの国内法上の手続を進める決意を確認した。

経済上の連携に関する日本国とモンゴル国との間の協定に係る協力の分野 
1.農業、林業及び漁業
2.製造業
3.貿易及び投資
4.公共基盤、建設及び都市開発
5.金融サービス
6.教育及び人材養成
7.環境
8.保健
9.情報通信技術
日本国政府及びモンゴル国政府は、この協定及び同実施取極の規定に従い、いかなる分野で、どのような範囲及び形態で協力するかについて、その都度協議する。
 
(出典:外務省 「日・モンゴル経済連携協定交渉の大筋合意及び日本国とモンゴル国の間の貿易・投資の促進に関する共同声明」
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(出典:首相官邸 http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201502/10mongolia.html より)

時間があれば、外務省から公表されている資料(「日・モンゴル経済連携協定(和文テキスト)
「経済上の連携に関する日本国とモンゴル国との間の協定」)
をわかりやすく表でまとめられたらと思っています。

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(出典:http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000067692.pdf)

いまさらながらですが、モンゴル・日本のEPAについて簡単にまとめたいと思います。

そもそもEPAで何がどうなるの?という、民間人からして何が具体的にできるようになるのか??というところがややわかりにくいようです。

日本経済新聞などの日本のメディアでもざっくりしかまとめられていないので、経産省や農水省の資料から細かい内容を、私自身で以下まとめてみました(やや古いです、昨年の秋ぐらい)。

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英語による拙訳版はこちらです:
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見ると、外務省・経済産業省はEPAに積極的なところがあるのですが、一方で農林水産省の管轄の分野はだいぶモンゴルに不利な感じがしなくもないです。農林水産分野は、JAなどのかなり政治力のある団体がいて、日本国内の産業を保護する傾向が強いため、だと思われます。

たとえば、ビーフジャーキーはオーストラリアなどの先進国と競争するところになってしまいます。また牛肉輸入は厚生労働省の検査基準をクリアしなければならないため、モンゴルから日本へはかなり厳しい品質管理体制を整えなければならないといけない、と思われます。
・参考リンク:厚生労働省 輸入牛肉対策について

注意しなければならないのは、外務省・経済産業省がEPAに乗り気でも、他の官公庁組織の基準は別の話となるため、それをクリアしなければならないというハードルが残っているところです。どこの国でもそうなのですが、霞が関のような中央官庁組織はセクショナリズムが非常に強いためです。

このブログはさまざまな方が読み、編集長こと桜井たけしさんも「資料として残る」とのことですので、いろいろなソースを以下まとめておきたいと思います。

〜日本国官公庁の資料のまとめ〜
「首相官邸」
平成27年2月24日 モンゴル国家大会議議長による表敬
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201502/24mongolia_gicho_hyoukei.html


平成27年2月10日 日・モンゴル首脳会談等
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201502/10mongolia.html


平成26年7月22日 日・モンゴル首脳会談等
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/actions/201407/22mongolia.html


「外務省」
日・モンゴル経済連携協定の概要
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000045894.pdf


日・モンゴル経済連携協定
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000067692.pdf


「経済産業省」
日・モンゴル経済連携協定(EPA)交渉第7回会合が開催されます
http://www.meti.go.jp/press/2014/06/20140610002/20140610002.html


「農林水産省」
日モンゴルEPA(経済連携協定)交渉の大筋合意についてhttp://www.maff.go.jp/j/press/kokusai/renkei/140722.html

【安倍政権によるEPAの拡大について】
そもそもEPAって何ですか?というと、特定の国や地域同士での貿易や投資を促進するため、以下4つの内容を約束する条約です。( 参考リンク:経済産業省)
(1)ものを輸出したり輸入したりするときにかかる関税を無くしたり・減らしたりする
(2)自分の国でやっているサービス業を海外で行うときの規制を緩くしたり・無くしたりする
(3)海外の相手の国でお金を安心して投資できるようにするため、自分の国の企業や財産を守ったり、情報をわかりやすくしたり、投資がしやすいようにする
(4)海外で相手の国でビジネスをするときに問題が発生した時に、その相手の国と話し合いができる委員会を作ること 

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(出典:外務省「経済上の国益の確保・増進 経済連携協定(EPA)/自由貿易協定(FTA)」より)

コロンビアもまとまったようですね。いろいろな国にEPA連携を強化してく中、モンゴルはその一つに選ばれて、意義が大きいかと思われます。

これをチャンスにして、「ジャパン・プレミアム」と「モンゴル的"グローカル"」で強みをどう発揮できるか?それにかかっていると思います。

Slide4


日本からの投資をどう、誠実にリターンを出し続けられるか?これは、モンゴル国の経済に重要な要因となってくるかと思います。
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