【世界銀行のモンゴルのデータ最新版が出ました】
 

結論:モンゴルは厳しくなった・・・というよりもやっと普通の新興国の状態になったと言えそうです。


The World Bankの最新のデータ"WORLD BANK EAST ASIA AND PACIFIC ECONOMIC UPDATE OCTOBER 2014"が出たようです。


WORLD BANK EAST ASIA AND PACIFIC ECONOMIC UPDATE OCTOBER 2014 Enhancing Competitiveness

in an Uncertain World

(PDF File)

なかなか読み応えのある、いい資料だと思います。

ここにあるモンゴルの数字、厳しいです。いや、厳しいというよりも「バブルが過ぎ去ってやっと普通の新興国の状態になった」と言えるのでしょうか。

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↑モンゴルの指標

131ページの"Mongolia Key Indicators"を見ると、GDP成長率なんですが、2012年が12.4%、2013年(見積)が11.7%、2014年以降の予想データでは2014が6.3%、6.2%、6.6%と大幅に減速する形となります。
 

また、外貨準備金が2012年の41億26百万ドルから23億42百万ドルと大幅に減少しています。トゥグルクの価値がどんどん下がっているためです。いちおう、習近平が来て人民元スワップが締結されて、トゥグルクが持ち直してきています。
 習近平訪問以降のトゥグルク


海外直接投資も44億7百万ドルから23億42百万ドルから大幅減少。チンギス債、JBIC(国際協力銀行)で担当者のクビが飛ぶレベルの日本に何もメリットが無いサムライ債が溶けたということになります。どこに消えたか?というと道路建設等に消えてしまいました・・・(首相がTwitterでアピールしていました・・・)。


公共事業をやっても、結局道路を作る自前で作るのが難しいため中国人労働者に頼りっきりで、モンゴルにお金がちゃんと落ちない形になってしまっています・・・。

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↑いまのチンギスハーン国際空港からウランバートル市内に続く道が綺麗に舗装されていますが、上の写真の工事作業員から聞こえるのはモンゴル語でなく、中国語(普通語)でした・・・。入管前には多数の中国人労働者が・・・やっぱり中国人は声が大きい(笑)
 

このレポートでモンゴルの次にあるミャンマーを見てしまうと、隣の芝生が青く見えてしまいます。GDP成長率を見ても、2012年〜2016年までは7.3%、8.3%、8.5%、 8.5%、8.2%と順調そうには見えます。


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↑ミャンマーの指標

しかし、ミャンマーもミャンマーで相当腐敗や政治がすごく、思ったよりもチャンスが無いという話も聞きます。


また、モンゴルに似た海が無いLandlockedなラオスはどうなのでしょうか。現在ばりばりの社会主義国で、モンゴルとも仲が良いです。ラオスでは、モンゴル国立大学に将来の外交官候補などのエリートが留学をしています。

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↑ラオスの指標

Emerging marketというのは、だいたいこんなものだ、という認識が必要なのでしょうか。だいたい8%前後の経済成長率が妥当なところ、というところでしょうか。チャンスはあるけれども、阻害する要因があまりにも多い、と。

ちなみに、以下はThe Economistが出した、世界のGDP成長率のランキングです。モンゴルがすごかった!やしまは、モンゴルの経済ブームを説明するとき、いつもこの数字を使っていました。世界銀行のものでなく(笑)

top_growers2013
↑2013年時のもの。出典:The fastest-growing economies of 2013 Speed is not everything Jan 2nd 2013, 16:07 by J.A.


20140110_cpt001_p
↑2014年時のもの。出典:The world in figures: Countries Top growers Nov 18th 2013 | From The World In 2014 print edition


ただ、最近、カタールの国際放送局である、アルジャジーラがモンゴルの経済成長の影の部分を報道しています。経済成長が著しい一方で、何かを見失っているのでは、経済格差が広がっているのでは、という内容を報道しつづけています。

No money left for Mongolia's poor

Despite an economic boom, lack of forward planning means many of the country's most vulnerable families are struggling.


Out of steppe

Mongolia's booming economy is growing millionaires, but what happens to those who miss out or are left behind?


やはり、資源ビジネスによる利得が国民に完全に平等というのは無理ですし、新興国で経済格差が出てくるのは避けられないケースだと思われますが、モンゴルはこの辺うまくやって欲しいところであります。

ある富裕層と資源利権を持つ政治家はアメリカもしくはスイスに資産と家を持っており、いつでもモンゴルから逃げれる状態にだと、モンゴル人から聞きました。こういうのは中国共産党でもある話ですし、珍しい話でも何でも無いのですが、もうちょっと、一人一人のモンゴル国民もしくはモンゴルに住んでいる人のことを考えて欲しいところであります。

今回はここまで。